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【第1話】第2の人生(始まり)

私の中の古い記憶。それは目を背けたくなるほどの孤独感だけだった。




[保育園時代]

何かあると私が怒られ、お母さんに甘えた記憶もない。知らないうちに私の心の中には小さな闇が住み着いていた。



[小学生時代]

嫌がらせ、急な転校、軽い虐め、お母さんが連れてきた知らない男の人。小さな家には泣ける場所もなく誰にも言えないまま私の心は闇を育てていった。



[中学生時代]

リストカットを始めた。理由も聞かずにお母さんは私を引っ叩いた。



[高校生時代]

妊娠、不登校、自殺願望、何も聞かずにお母さんはハンガーで私を叩き続けた。この頃には闇が私を包み込んでいた。



[専門学生時代]

授業拒否が始まって試しに歓楽街で働き始めてからは妖しい世界の雰囲気に身を委ねた。




そんな私の名前は黒百合くろゆり 美香みか 今年30歳のおばちゃんである。



小さい頃の家庭環境が災いし27歳の時に精神病を患った。双極性精神障害。ADHD。他にもたくさんの病名を言われた。



外出なんて中々できなかったからブクブク太っていくし、仕事もできなかったし、友人との距離も遠くなって家の中で孤独と戦っていた。



「もぅ、死んでしまおうか」と思いながらも1日1日が過ぎていった。こうして孤独が育てた闇は私を蝕んでいった。




ー そして運命の日 ー

その日は気分も落ち着いていて久しぶりに外の空気が吸いたくなった。



買い物をして、カフェでお茶をした帰り道。信号待ちしていた私に1台の車が突っ込んできた。「これで解放される」と思いながら寒くて暗い闇に堕ちていき、そして深い眠りについた。



次に目を開けると大きな部屋のソファーに座っていた。豪華な装飾に、高そうな絨毯。






「私、死んだんじゃなかったの?」






不思議な気分のままソファーから立ち上がろうとした時、後ろのドアが開き小さな男の子が入ってきた。そして男の子は微笑みながら私に話しかけてきたのである。






「今までお疲れ様でした。ここは第2の人生を歩まれる方の為に用意された部屋です。」



「第2の人生?地獄に行くか天国に行くかっとこと?」



「そうではありません。これからは、あなたの手で世界を創って頂くのです」






いきなり訳のわからないことを言われて私は呆然としていた。






はっはーん。私はまだ死んでなかったのか。きっと夢を見ているんだな。






「いいえ。黒百合 美香様。あなたは確実に亡くなっておられます。」



「何で私の考えていることがわかったの?」






男の子は私の慌てている姿を見て、クスクス笑いながら話を先に進めた。






「先程も申し上げましたが、あなたには世界を創って頂きます。わかりやすく言えば、あなたには神様になって頂き、人間や動物、植物や海などを一から創って頂くのです。その世界には、あなたも1人の住人として暮らすこともできますよ。この世界にはいろんな神様がおられます。


天空の神    ゼウス様

混沌の神    カオス様

夜の神     ニュクス様

地獄・奈落の神 タルタロス様


その神々のように、あなたにも“神様”になって頂くのです。コップでも箸でも丼の神様でも構いません。」






「何で全部、食器なんだろう」と思いながらも、何の神様になりたいのかを考えてみた。






「蝶の神様”とかどう?」



「そうですね・・・・・では“黒百合”から取って紫の蝶はどうでしょうか?」



「あ、それいいかも!」



「では決まりです。申し遅れました。私は執事の“テミス”と申します。紫蝶の女神 美香様。お好きなように世界を創っていってください。創り方は簡単です。そこの部屋に入り頭の中で思い浮かべるだけでいいのです。」






指された方向に小さな空間があった。






試しに入ってみるか






小さな空間の中にある椅子に腰掛け、暗紫色の空を思い浮かべてみた。すると、目の前のモニターに

暗紫色の空が映し出された。






おぉ! 本当に出てきた!






じゃあ次は紅の海。すると、モニターに紅の海が追加された。






「この部屋は美香様のご自由にお使いください。私に御用の時は、そこのベルをお使いくださいね。」






それだけ伝えるとテミスは部屋を出て行った。静かな部屋に取り残された私はモニターに向き直ったのである。






「どんな世界を創ろうかな〜♪」






そんなこんなで何だかよくわからないまま、私の第2の人生が始まった。


       



【第2話】へつづく





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