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ありがとうと、さよならの間で

作者: 雪虫

 青空の広がる中、僕は何を考えていたのだろうか、緑が大地に広がっているのに、ただ佇む…


 形のある世界の中で、形を忘れるほどの時間が経った・・・


「・・・もはや我は形を忘れ、あとはただ朽ち果てるのを待つのみとなった」


 世界の変わり行く行く末を見ることなく朽ち果てることを決めた…


「我はこのまま朽ち果てても、誰も何も思うまい…色々な者の人生に…いや、歴史に我は形を残してきただろう・・・しかし、形を残しはしたが…誰もが気に止めるほどのものでもない」


 青空はより一層青くなり、緑の大地はより青々とした…




 朽ち果てるのが少し嫌になった・・・




「この大地では色々なことがあった…大地に我が生を受けてから本当に色々なことが・・・全てを気に止め、全てを見たとまでは言わないが、見たものは我が朽ち果てるまで覚えておきたい・・・誰もが忘れては・・・悲しいからな。我も、その歴史を刻んだ者も…」


 先ほどまで雲一つ無い空に、一筋の雲が現れた…何か大切なことを運んできたかのよ思える雲は、押し黙ってそこにいる…。


「まだ我を知る者はいるのだろうか…あの時に死んだ者はちゃんと天国へ辿り着いたのだろうか…大地の神に我もそろそろ休みたいと告げてから幾日も経ってしまったな…ここにいると心から色々なことを思い出す・・・やはりそろそろ我も引き時だろう、これ以上生きているは辛いだけだ…」


 先ほどからの雲は、雨を降らし、大地と私を濡らしだした…その雲が降らせる雨はとても冷たく、だが何かを感じさせるものだった・・・


「大地の民よ、良くやった。もう十分民を見守った・・・今は我がおまえを見守ろう…お前は朽ち果てるのではなく、他の形になるように神に願ってやろう」


「空の民、我は何も望まぬ…この場で朽ち果て民の前で死を全うしたい・・」


「ならば、祝福の雨だけは受けてくれ」


「・・・ありがとう。ありがとう」


 雨は冷たいままだが、本当に暖かかった・・・誰かを思い降らした雨の暖かさが身体を通る度に「ありがとう」の言葉が幾重にも重なり溢れてきた。。。


「空の民、そろそろ我は朽ち果てるとする・・・あなたに会えて本当に良かった。。。最後に一つ良いか我は、役に立ったのだろうか?意味とは何なのだろうか…」


「・・・お前は役に立ったさ。形があったんだ当たり前だろう…そして、意味というのは人が作った言葉でしかないさ。しかし、意味がないことがないように、必ず何かある・・・意味などは気にするに値しないさ…あるならそれはお前が思うこと・・・それが全て『意味』だ」


「・・・ありがとう」


 雲や大地がふるえ、我を祝福してくれているのがわかる…全ての思うことが意味・・・ありがとう空の民よ。我の形は失わずに終われるだろう。。。




 ひとりの若者が私に近づいてきた、彼女は確かこの私とよく遊んでいた子・・・たぶん我を知る最後の人間・・・


「今までありがとう。私が死ぬまであなたのことは覚えているわ。絶対に・・・忘れない。。。 本当にありがとう」


 人間は、自然を破壊し、世界の神になったつもりの救いようがない奴だと思っていたが…まだ救いがあるのだな。。。


「ありがとう。我を忘れずにいてくれるのか…ありがとう。」


 頬を伝う暖かな涙は、木の最後の言葉を聞いた私の最後の、本当の涙。。。


 別れが本当に悲しいとき人は「さよなら」の言葉が使えない、そして使わない・・・変わりに出てきた言葉それは・・・





「ありがとう。」





「本当にありがとう、あなたに会えて良かった」







〜あとがき〜


久しぶりの投稿です。。。色々悩みましたがこちらの形でも投稿したくて書き直しながらの投稿です。。。

今回も意味不明かもしれないです。。。


なので、意味不明小説第3弾です。。。


今回は、次の授業がテストだったのに気付いて今まで寝ていて分らない・・・諦めました・・・そんな時に書き始めて、電車の中で書き終えた作品です。


最後に、こんなトコまで読んでくれた方に感謝。開いてくれた人にも感謝、評価なんかしてくれた方、本当に皆様の声が大切だと気付かせていただけます。。。


皆様本当にありがとう。。。。



                  雪虫

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