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転生した二人

作者: 幸福の探究家
掲載日:2026/01/13

二人は同じとき同じ場所で事故にあい転生を果たす。


ひとりは転生後は全てを受け入れ、ある意味己が使命に対し演技のようにふるまうことを望んだ。


もう一人は自由を求め転生後はなににも縛られない生き方を好み、組織への所属はなるべく避けることにした。


これは転生前の記憶、常識を持ちながら変わりゆく運命の話。


平凡な家庭に生まれた二人は幼少期はそれぞれ両親に愛されほとんど変わりなく育つ。


微妙に思い出などは違うがそれぞれが金銭的な事情や経験にはそれほどの違いはなかった。


変わり始めたのは物心がついた当たり、それぞれの前世の記憶を思い出し今世での振る舞いをどうするかを定めた3歳ごろからである。


ひとりは歳相応の行動を心がける。文字の読み書き、計算などはできるがなるべく知らないふりをする。


もう一人は自由に自分のできることを見せる。

この時自由を決めたモノは天才だともてはやされるようになる。

皆が自分をほめてくれた。


学生になる時にはまた別の問題が出てくる。

ひとりは学生らしくという事を勉強、部活、恋愛、クラスの友人関係、地域の関り、全て自分の構成要素としてそれに対して演技するようにすべてに真面目に誠実に行動する。

恋愛では好きだと思ったら告白し、振られたり、付き合ったりもした。

勉強にも全力を尽くすが、自頭自体は普通だから、それなりの成績になる。

クラスの友人には気の合うやつもいればそうでない奴もいたが、真面目に付き合うように心がける生き方は敵を作るよりは信頼に厚い人間になった。

地域との関係もできるだけ持つよう心掛ける。それがこの人間にとって必要な演技になるから。


逆に自由を求めた人間はぐれた。

学生という身分には性格が合わなかった。

周りから頼まれることも拒み、所属意識を感じると嫌悪感を抱き、そこから離れようとした。

ただただ逃げるという事を望んでいるかのように見える。

本人も未来を考えると、このままではまずいと考えるようになる。

自分を変えた方が良いのではないかと考え、変更を決めた。

ただそれは、未来が不安だからという思いで変えただけで、根の自由を求める生き方全てを変えることはできなかった。

最低限だけ学生の両分を果たし、他はただ気の向くままに過ごす。

何かに熱中することはないが、ゲームやネットのような終わりがない物を好んだ。


社会に出るころになるとそこには違いある。


ひとりは演技というよりも今の自分の状況を楽しむことができた。

入った会社が不況のあおりで倒産しても、友人が不幸に見舞われても、それを糧に次のステージを求め続ける。その時に必要となる行動を常に考え行動した。


逆に自由は人生は暗く見えない不安に押しつぶされそうになっていった。

会社に就職するもそりが合わないと感じたら離れたくなる。自分を縛るようなものがすべて悪いのだと規則のせいにした。それを強いる人間全てが悪人に見える。

また休日でも何かをやらなければならないという状況に置かれるのが嫌で好きなことを探した。

色々な趣味を持つが、どれもが広く浅くの付き合いになる。何かにしがみ付くことが不自由さを感じてしまう。

全てのことがやりたいのだと集中することができない。


人生の終わりに二人は思う気持ちはある意味同じになる。

ひとりは宝石のような楽しい思い出をたくさん抱えて、生き切ったと思って死んでいく。

その時その時の辛い思い出はあったが、それらを運命だと割り切りただただ次を望んで行動したから何にも悔いはなかった。清々(すがすが)しい気持ちになった。


もう一人はこんな人生になったのは全てがおかしい世界だったのだと思い、死という体からの脱却にやっと終われたという清々(せいせい)した気分になった。


二人は同じような心境だが、全く違う。

この違いが人生というモノであり、それだけが人生の価値である。

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