蝶と庭と 白昼夢:3
夜の投稿は最後にしますね。
日も高く昇り始めた頃、隣人を迎えるには充分なおかしができあがっていた。とても美味しそうなおかしが長テーブルに並べられている横で、少し形の崩れた、かわいらしいおかしも一緒に並んでいる。これはシルシアが一生懸命作ったものだろう。シルキーの整った形のおかしは、それこそ芸術的で味も一級品だけれど、シルシアのおかしにも、愛着というものがある。どちらも引けを取らない、違った愛と味がある。
森の小道を、葉擦れの音とともにふたりの愛しの隣人がやって来たことを告げる。プーカはブラックベリーのたっぷりと入ったかごを抱え、ポップスコッチを踏んでいる。ケット・シーはその後ろを、品よく裾を掴みながら歩いていた。腕にはかわいらしい布で包まれた小さなおかしの包みを提げているようだった。
客人を玄関先で迎えるよりも早く、その扉は開け放たれた。
「おっじゃましまーす!」
お騒がせな隣人は相変わらずの調子で、ケット・シーは苦笑混じりに挨拶をする。
「ごめんください、おじゃましますね」
迎えに出たシルキーは、無表情のままプーカをはたく。たとえ愛しの隣人であっても、騒がしかったり、礼儀を欠いたりすれば、彼女は構わず家を守ろうとする。けれど、プーカが自分の家に害を加えるような存在ではないと理解しているので、追い出されずに済んでいる。
プーカは大げさに痛がってみせるが、シルキーは構わずにブラックベリーの手土産を受け取る。ケット・シーも丁寧に両手でおかしの包みを差し出した。シルキーは静かに咲って、頬に軽く、くちづけをする。
「妖精の国からの贈り物だよ! 今の時期、ブラックベリーは未だ実ってないんだから、感謝してよね!」
床に転がっていたプーカは起き上がって、自分の頬に指を立てる。シルキーに自分にもくちづけをしてほしいとせがんでいるのだ。シルキーの表情はあまり変わっていないように見えるが、仕方がないと云う顔をして、プーカにも軽く、くちづけをしてあげた。
手土産を受け取った後、シルキーはブラックベリーのジャムを作りにキッチンへと戻り、シルシアとトトで愛しの隣人たちを庭へ招く。
「アラ! やっときたのね!」
「もう待ちくたびれちゃって、先に食べちゃおうかと思ったワ!」
花瓶の花の中では、小さな愛しいお隣さんが寛いでいた。
「お茶会をするならアタシも呼んでよね!」
少しばかり膨れながら、小さなお隣さんはシルシアの頭に乗る。彼女はその場所がお気に入りらしい。
「キミたち、普段はどこにもいないし、呼べば他のみんなも呼んでくるだろう」
トトはそうなったら、お茶会どころではないと提案を却下する。それに対して小さなお隣さんはそんなことないわよ。と、反論する。
「そんなことをしたら、愛しいわたしたちの彼女を独り占めできなくなっちゃうじゃない」
小さなお隣さんはシルシアに、ねーっと、はにかむ。
今日の朝6:00から投稿を再開しますね。
ぜひ読みにいらしてください。




