63★動き出す①
「アウトです!!!!!!」
何の話をしているのかさっぱり知りませんが結構色々アウトです!! と、ラザロが全身で待ったをかける。心なしか眼鏡も全反射だ。
「というか、そんな危機的状況なんですか?!」
《ごめ~~~ん! ぶっちゃけアタシも皇帝が牢屋に来た時点で即逃げたから今までの流れ全く見てないし、アーカイブ機能搭載してないし、勝手に記憶覗いたらどちゃクソ怒られるから真相はわからん!!》
「やはりあの時逃げたのですね……」
「今の神の発言でツッコむところソコですか!?」
令嬢はあーかいぶ機能とか意味わかるんですか?! とのもっともなラザロの指摘に「知らないけどどうせそういう名の過去の映像を見る術なのでしょう」と当たらずも遠からずの適当な答えで流しつつ。
「誤解をされているようですが、陛下と関係を疑われるようなことは何も起きていません」
ベアトリーチェは二人に向き直り、落ち着い払った声とジェスチャーで席に座るよう促す。
「多少、様子のおかしい行動はございましたが、おそらく神の言う、《規約》や《年齢制限》にひっかかるようなものではなかったかと……知りませんが」
《うーん、この顔。とぼけてんのか本気で言ってんのかわかんねーな……》
まぁいいか。なんかあったらこれ以上はみせられないよ! とかなんとか言って暗転で茶を濁すか! と神が盛大にサジを投げる横で、ベアトリーチェは眼鏡のかたむきを修正しているラザロを見た。
「ところで、ラザロ。陛下は《首》が好きなの?」
「どういう流れからの『ところで』なんですか??」
会話ぶった切りにもほどがあるでしょう。会話する気あるんですか?
ラザロが疲れ切った顔をするのに対し、神は神で「《え~~首フェチ~~? そりゃいるにはいると思うわよぉ!!》」とノリノリで参加してくるのだから、ベアトリーチェと神は茶飲み友達としての相性は抜群だなと遠い目で察した。
《浮き出た喉仏とか、怒張した頸動脈とか、胸鎖乳突筋に太ましい首とかゾクゾクしちゃうわよね~~!?》
「なぜ私に向かって言うんですか……」
なぜかラザロに向けて興奮したように話しかける神から首を隠すように、さっと自身の首を両手で隠しつつ「それで? 令嬢が皇帝陛下に首を刎ねられなくて良かった、という話ですか?」と会話を続ける。
「そういえば、現皇帝陛下であるダンテ様は少年時代に参戦していた戦争で、敵国の王城前に敵の兵士の首を並べて牽制したとかしてないとか?」
《あー!! いるいる!! 討ち取った生首をつなげてネックレスにする神とかいるわよ!! 悪趣味ったらありゃしないわよねぇ!!》
「なるほど――つまり、陛下はわたくしの首を、狙っている?」
今夜21時「動き出す②」を更新します!




