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幻想奇譚

移り木

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

君の氏神様

で登場した神様の名前がやっと決まりました。

『橙木様』です。


厳しくも優しい様は、あの子じゃないと出せない気がします。

蓮の薄紅梅が抜け落ちて、真っさらな白に変化する様を、週ごとに拝見させて戴きました。根元からゆっくりと、ゆっくりと白が侵食し、仕舞いには白無垢に生まれ変わる様を見て、本日参る場所を決めました。ただ今参ります。橙木(とうのき)様。


本殿に至るまでの最初の道成、大鳥居の前で軽く一礼を。檜の匂いが鼻腔を素肌を撫で、夏の伊吹を感じます。夏の良いところは、木々の匂いがより一層強まる事にあると思うのです。しっかりと乾燥した木々からしか発せられない、甘く、神聖な香り。ただ道を歩くだけでも、心身共に満たされるのを感じます。

本殿までの大鳥居を一つ、二つ、三つ。一礼する事に匂いは殊更強まって、唐門を潜る頃にはただただ、その匂いに酔うばかりで御座います。

「おはようございます。橙木様」

「ん。いらっしゃい」

見掛けは齢十二。背丈は私よりも幾分か小さいながら、見上げる双眸の眼力は、長い年月をこの目で眺めて来たことを示しておいでです。

橙木様は黙って本殿を向いた後、颯爽と端に寄せられたベンチへ腰を掛けましす。どうやら参拝の後にお話を聞いて下さる様です。

私は早速参拝を済ませた後、橙木様がお座りになるベンチへ腰を下ろします。

「蓮の花を拝見したのですよ。だから参りました」

「その心は?」

涼し気な笑顔を一つ浮かべると、また、甘い檜の香りが鼻腔を擽ります。

「蓮の色の移ろいと、この場所の移ろいが、私の想像の中で結びついた故にで御座います」

私の見聞が正しければ、この場所はたった一つの木があるだけの荒地であったと。それでも沢山の方々が思考を凝らし、五十年、百年、百五十年、二百年と数多の歳月を掛けて、森にして行ったと。その移りゆく様が、あの蓮の白と重なったのです。蓮が先の先まで白く染める様に。

「蓮の花が白く染まる様に、この快晴を緑で侵食する様に。強く香る檜が、荒地を包む様に。此処を思い浮かべたのです」

「そう。檜の匂いは好きかい?」

「ええ。とても」

夏だけの特権で御座いますよ。乾いた大地に恵の新緑が灯るのは。

橙木様

由来は私が感じた時代の色合いと、とある地名から。

感の良い方は、この小説と相まって特定可能かと思います。

極彩色の街の中で、唯一ヒィヒィ言わない場所です。

オアシス!!

初詣は此処と決めていらっしゃる方、多いのでは?


初めてお悩み相談した時に、物凄い正論豪速球食らったので、厳しい方というイメージがあります。

でも行くと歓迎して下さる感じもするので、優しいとも思います。本日も沢山のものを戴きました。


ちったくしたのは、比較的に新しく神様になったから。

それでも内面は他の方々と引けをとりません。

正論豪速球……。はい。

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