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数分で分かる第一部 ②中盤(第2~9話)
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それは輝かんばかりの、ご都合主義とお約束で塗り固められた旅だった。
旅の道中、サク、エレナ=ファンツェルン、アルティア=ウィン=クーデフォンと出逢い、紆余曲折ありながらもアキラの銃の力、そして、“数千年にひとりの天才”と言われるマリスの力により、苦難は存在しない。
敵が出れば銃を使い、困ったら実現不可能なことが無いマリスに頼ればいいという完璧な布陣である。
エリーとの問題はまるで解決していないながらも、女性に囲まれた順風満帆なその旅は、夢にまで見た異世界冒険物のようだった。
浮かれるアキラだが、この世界の支配者である神との邂逅、そして、アキラより前に異世界に訪れていたというホンジョウ=イオリとの出逢いにより、今までの旅を振り返り、“あるはずの陰り”を見つめ直すことになる。