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作戦会議

 水泳特訓六日目がとうとう終了し、アメリア以外全員の水泳スキルが三百を越えた。

 俺たちはギルドホームのリビングに集まり、明日のウンディーネ討伐作戦の最終確認を行うことになった。

「昨日の魚人討伐は、ウンディーネ戦の前にとても良い経験ができました。みんなもだいぶ水中戦になれたと思います」

 みんなが頷く。

「戦闘面では心配していないので、ウンディーネの特徴と対策を話しておきたいと思います。ウンディーネは昨日戦闘した魚人の妃と同じく、魔法耐性がとても高くて攻撃魔法の効果がほとんどありません。逆に、こちらは水魔法耐性をしっかり上げておかないと、高威力の水魔法でとてつもないダメージを負うことになります」

「質問ネ!」

 メイリンが元気よく手を上げる。

「どうぞ」

「ウチは魔法耐性そこまで高くないネ。どうすればいいカ?」

「丁度良い質問だよメイリン。実は俺たちが水泳スキルを上げている間に、アメリアには水魔法耐性のある装備や装飾品を全員分作ってもらっていました。この装備と魔法耐性アップのバフをかけておけば、ウンディーネが使用する魔法にはある程度耐えられると思います。」

「アメちゃん流石ネ!」

「アメリアいつもすまないな」

 みんながアメリアに感謝を伝える。

「私は天才クリエイターだから当然のことなのだ!」

 照れながら威張るアメリア。みんなの役に立てて嬉しいようだ。

「それじゃあアメリア、みんなに装備を配ってもらっていいかな?」

「わかっているのだ」

 アメリアが全員に装備を配り終わり、試着してみる。

「この装備可愛いー!」

 愛華や他のみんなが装備を見て喜ぶ中、ミズさんだけが不満を発する。

「おい、ちび! 俺だけなんで昨日の魚人のぬいぐるみみたいな見た目なんだよ!」

「いやー、昨日の戦いで急にインスピレーションが湧いてな。喜べ!お前だけ特注なのだ!」

 意地悪に笑いながら話すアメリア。

「こんなんで喜べるか!」

「お兄ちゃん……良く似合ってるよ!」

 笑いをこらえながら愛華がフォローを入れる。

「おい顔、顔が笑ってんぞ……」

「お前だけ特別なんだし、いいではないか。クスッ」

 いつも気丈なリディアさんが口元を抑えて笑う。

「いや、お前も笑ってんじゃねーか!」


 談笑もそこそこに切り上げ、話を戻す。

「少し脱線しましたが、ウンディーネ対策に話を戻しますね。防御面の対策はこの装備で問題無いことは説明しましたが、攻撃魔法が通用しないということで、今回愛華にはリラと一緒にヒーラー役に専念してもらって、フリッツには魔法耐性の無い取り巻きモンスターの排除に徹底してもらいます」

「まかせて」

「了解です」

 二人が快く了承してくれる。

「では他の攻撃職なんですけど、ウンディーネは時折物理軽減バリアを張ってくるので、その際はバリア貫通性能のある技で攻撃してください。後これは全員ですが、ウンディーネの全身が光り出すと距離軽減の全体範囲魔法を使ってくるみたいです。この魔法はとても高威力らしく、魔法耐性があっても近距離にいると耐えられないらしいので、光りだすと同時に離れられるだけ離れてください。対策は以上です。討伐して、みんなで楽しく打ち上げしましょう!」


 討伐会議が終わり、俺たちは各自の部屋に戻った。


 ウンディーネ討伐戦当日の昼、俺たちは腹ごなしと食事バフをつけるためにダイニングでアメリアの作った食事を食べていた。

「今日の料理はいつもと違うね」

「水魔法耐性アップのスペシャルシーフード料理なのだ!今日はお前たちにしっかり働いて貰わねばならないしな!」

「おいしいよアメリア! 頑張るからね!」


 俺たちは食事を食べ終わり玄関先に集まる。

「それじゃあリムール湖に飛ぶね」

 そう言うと愛華が詠唱を始める。

「ヌヴァール、ベルタ、フィール、セプト……テレポート!」


 飛んだ先には、一見すると海のようにも見える広大な湖が広がっている。

 俺たちは湖の畔に移動する。

「ウンディーネはこの湖の中央付近の湖底に潜んでいるらしいので、まずは中央まで移動しましょう」

「中央まで移動ってどうやって移動するんだ? ここから湖底に泳いでいくんじゃないのか?」

「泳いでいたら日が暮れるし、ちゃんと船を作っておいたのだ」

 そう言うとアメリアが自身のアイテムインベントリを操作し、湖に船を浮かべる。

「駿に前々から頼まれていてな。海や湖に出ることもあるだろうしと以前から制作していたのだ。さぁ早く乗るのだ! 出発するぞ」

 俺たちは船に乗り込み、湖中央を目指す。


「風が気持ちいー!」

 船首で風を感じる愛華。

 思っていたよりも速度が出ていて風が気持ち良い。ただ、その動力はというと……。


「クッソー! こんなことだと思ってたんだよ!」

 ミズさんが怒鳴る。

「文句言ってないで走れ」

「だらしないネ」

「気合が足りませんね」

「うっせー! おめーらは何もしてねーからそんなことが言えるんだよ!」

 ミズさんとアルさんが発電用の大型回し車の中で走らされている。

「頑……張れ。フィール、キュア、ベルタ、ヌヴァール、ウィータ……リジェネレーションバイタル」

「うおっ! 疲れがとれて、これならずっと走ってられるぜ!」

 リラのST継続回復魔法で再びやる気を取り戻す。

「アメリア、この走って発電するのはどうにかならないの?」

「脚力の強いモンスターでもテイム出来れば代わりに走ってもらうことはできるのだ。全て機械で動かすにはまだまだスキルも材料も足りないのだ」

「そっか、それじゃあしばらくは二人に頑張って貰わないとだね」

「なんで俺ら二人確定なんだよ! 誰か代われー!」


 湖の中央付近に辿り着く。

「私たちはここで打ち上げの料理の仕込みでもしておくのだ」

「楽しみにしておいてください! おいしいお魚いっぱい釣るのです!」

 アメリアとエリカがそれぞれの道具を持って、任せておけといったような感じのポーズをとる。

「楽しみにしてるよ二人とも! リラ、愛華、フルバフをお願い」

 全員に必要なバフをかけ終わった後、俺たちは海に入る。

「気を付けるのだー!」

「お気をつけてなのです!」

 アメリアとエリカが手を振る。

「行ってくるよ!」

 俺たちは二人に手を振り、海底に潜むウンディーネを目指して泳ぎだした。

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