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水中探検

 気が付けば昼飯時になり、俺たちはアメリアが用意してくれた食事を頂くことにする。

「海で食べる食べ物と言えばこれなのだ!」

 焼きそば、ラーメン、かき氷と、まさに海の家というラインナップである。

「いかにもな感じの食べ物だな……」

「嫌ならミズは食べなくていいのだ!」

「いらないとは言ってないだろ!」


 俺たちは食事を済ませ、午後も水泳スキル上げにとりかかった。

 日が暮れるまで泳いだり、潜ったり、エリカの水中採取の手伝いなどをして過ごした――。


「みなさん私のお手伝いまでしていただいてありがとうございましたです」

「気にしなくて大丈夫……ですよ」

「ただ、もうくたくた……」

「リラも……もう……泳げない」

「現実なら明日は筋肉痛で動けなくなってるかも……」

 俺は海からでて座り込む。

「なーに弱音吐いてんだよ! 明日から来週まで毎日あるんだぞ」

「その通りヨ。こんなことくらいで疲れていてどうするネ」

 アルさん、メイリンの元気組はまだまだ泳ぎ足りない様子だ。

「まぁスキルも上がってきてだいぶ楽に動けるようにはなってきてるけどな」

「潜水時間も三分を越えたしな」

 水泳スキルは初期値で一分潜水可能で、スキルが一上がるごとに2秒ずつ延びていく。


「お腹もすいたし帰って夕食にするのだ」

「ごめん愛華。疲れてるとこ悪いんだけどテレポートよろしく……」

「いいよ、気にしないで。みんな私の近くに来てー」

 みんなが愛華の周りに集合する。

「いくよー。ヌヴァール、ベルタ、フィール、セプト……テレポート!」

 俺たちの水泳トレーニング一日目が終了した――。


 あれから四日が過ぎ、五日目の昼過ぎのことだ。俺はある提案をした。

「水泳スキルもみんな二百五十を越えてきたし、良ければなんだけど、後は昨日潜ってて見つけた海底洞窟の探検をしながらスキル上げをしないかな?」

「いつの間にそんなの見つけてたネ! 抜け目ないネ!」

「駿はむっつりだからな」

「むっつりは関係ないですよ! いや、むっつりでもないですけど!」

「いいんじゃないか?モンスターでも出てくれば水中戦闘も経験しておけるしな。水中は陸上の戦闘と違って、上下にも気を配らないといけない三次元戦闘だし、経験しておいて損はないからな」

「水着装備ではなく、いつもの装備で水中をどれだけ動けるのか私も気になっていたところだ」

「僕もずっと泳いだり潜ったりで飽きていたところですよ」

 みんなやる気満々のようだ。

「それじゃあ今回は息継ぎ出来ないかもしれないから水中でも呼吸できる魔法かけるよー」

 リラと愛華が全員に順番に魔法をかけていく。

「これで最後だね。キュア、フィール、セプト……ウォーターブレッシング!」

「ありがとうリラ、愛華! それじゃあみんな行こうか!」

 俺は水中に潜り、呼吸してみる。

「凄い! ほんとに陸上にいた時と変わらずに呼吸出来る!」

「呼吸もなんだけど、正直この魔法使わないと詠唱の時に息吐いちゃって戦闘どころじゃなくなっちゃうの……」

 水中だとジョブによって予想外の苦労があるようだ。


 俺たちは沖の方に泳いで行き、目的の海底洞窟を探す。

「この辺だったと思うんだけどなぁ」

「あれかな?」

 愛華が指さす方に目を遣ると洞窟の入口が視界に入った。

「そうだね。あれであってる」

 俺たちは洞窟の入口まで近づいた。

「中は暗そうだなぁ」

「大……丈夫。キュア、レック、ウィータ……ライティングアイ」

 リラが照明の魔法を唱える。俺たちの眼に魔法がかかり、周囲の照度が高くなる。

「ありがとう。リラ」

「これで洞窟の中も大丈夫だね。みんな襲撃に気を付けて進もう」

 全員が頷き、洞窟の中を進んでいく。


 途中何度か魚型、サメ型のモンスターに襲われる。

「あー! 鬱陶しい! 小せーし、速ぇー!」

「水中で素早く動かれるとなかなか捉えるのが難しいですね」

 まだスキル不足なのもあるが、なかなか水中で陸上と同じように武器を振るうのは難しい。

「明後日にはウンディーネ討伐だぞ、そんな弱音吐いててどーする」

 リディアさんに叱咤される。

「陸上とはどうやっても違うからな、あいつみたいに水中では水中の戦い方をすればいい」

 ミズさんがメイリンの方を指さす。

 洞窟内の壁を縦横無尽に蹴り、勢いをつけて攻撃を続けるメイリン。

「上手いなメイリン」

「水中は色んな方向から攻撃ができて楽しいネ!」

 周囲のモンスターを一蹴する。


 モンスターを倒し、進んだ先で扉を発見する。

 近づき、岩陰から偵察すると扉の前には二匹の魚人が扉を護衛していた。

 この距離だとまだ反応しないようだ。


「明らかにさっきまでのモンスターと違いますね」

 その風貌から、かなりの強さが感じ取れる。俺はモンスターの能力を調べる技を使用した。

「レコニッサンス!……モンスターレベル七十ですね」

 先ほどまでのモンスターがレベル五十程であったため、比較しても相当な強さであることがわかる。ただ、倒せないという程でも無かった。

「あの二体だけならなんとかなりそうですね。ただし、扉の奥から増援が来る可能性もあります。まだスキルの上がりきってない水中では、こちらが不利ですし、十体以上に囲まれたときはテレポートで逃げましょう」

 全員が頷いてくれる。

「それじゃあ、いきましょう!」

 俺とアルさんが飛び出した瞬間に、魚人二体が襲い掛かってくる。

「タウンティング!」

 俺とアルさんは別々にヘイトを取り、攻撃対象を分散させる。

「デッドリースラッシュ!」

 隙の多い強攻撃技のため、相手からのダメージも受けたものの、一気にモンスターのHPを奪う。

「俺も負けてられねぇ! エクセキューショナー!」

 アルさんの相手もかなりダメージが入ったようで、二体の魚人が少し怯む。

「乱れ斬り!」

「双龍撃!」

 ミズさんの二刀の刀とメイリンの両拳が目に見えぬ程の速さで繰り出される。

 一旦は怯んだものの、傷だらけになりながらも魚人は攻撃の手を止めない。

 鋭い爪から繰り出された攻撃で裂傷の継続ダメージを受ける。

「フィール、ヌヴァール、レック、アイン、エント……リジェネレーションヒール!」

 愛華とリラが俺とアルさんに継続回復魔法をかけて対応してくれる。

「動きを止めます! ヴァル、レック、グランツ、ヌヴァール、ベルタ……チェインライトニング!」

 フリッツの放った雷魔法が二体の魚人を襲う。

 スタン(少しの間気絶)した二体に俺たちは攻撃を続けた。

「とどめだ! レイジテンペスト!」

 リディアさんの攻撃で魚人二体を討伐する。

「思ったより手強かったですね」

「この扉の先にまだまだいそうだけどな」

「良いスキル上げネ! ウンディーネの前にここのボスも倒しちゃおうヨ!」


 俺たちは扉を開き、先に進むことにした。

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