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ハウジング

 俺たちは討伐した大樹トレントからドロップアイテムである『太いトレント原木』を回収する。

 アイテム回収後エリカが解体技を使い、追加でアイテムを回収する。

「ディスマンタリング。……やりました! 『太いトレント原木』がもう一本とれたのです。」

「いいね! また必要になった時にこいつをもう一回は骨が折れるしね……」

「まぁ倒し方はわかったから、次はもうちょっと楽できるだろーけどな」

「それでも物理攻撃軽減は少し厄介だな」

「今後も物理攻撃軽減モンスターが出てくることもあるだろうし、魔法を覚えたり、属性魔法が付与されている武器を揃えておくのもいいかもしれないな」


 目的も達成し、日が暮れる前にアメリアに素材を届けに行くことにする。

「それじゃあ、ギルドホームに戻ろうか!」

 俺たちは来た道をモンスターを倒しながら引き返し、ギルドホームに向かった。

「姉さんただいまなのです!」

 エリカが大声で第一声を発し、姉のもとに走る。

「みんな遅かったのだ。」

「こっちはこっちで大変だったんだよ。お前こそちゃんと家具は作ったのか?」

「ミズと違って私は天才クラフターだからな! 家の中を見てみるといいのだ!」

 俺たちは家の中に入る。

「凄ーい!行く前と全然違って、ちゃんと家になってる……!」

 愛華が声を出して驚く。

 確かにリビングにはソファーなどがセッティングされており、キッチンには調理用具等が全て揃っていた。

「やるじゃないかアメリア」

 みんなアメリアに賛辞を送る。

「それよりお前たち、素材はちゃんと取ってきたのだろうな?」

「勿論だよ。」

 俺はアメリアに取ってきた素材を渡す。

「良くやったのだ。これで足りない家具が作れるのだ。お前たちはのんびり待ってるといいのだ。冷蔵庫に飲み物を入れてあるから、飲んでも構わないぞ」

 アメリアはそう言うと庭に出ていった。

 お言葉に甘え、俺たちはソファーでくつろぎ今回の旅の疲れを癒すことにした。

「みなさんどうぞなのです」

 エリカと愛華がみんなにジュースを入れて配ってくれる。

「ありがとう。二人も疲れてるのに」

「ぷはーっ! 一仕事終えた後の一杯は最高だぜ!」

 キッチン正面のカウンターでアルさんがジョッキを一気飲みし、酔ってるような反応を見せる。

「やつのもジュースだろ?素面でよくあんな感じになれるな?」

 リディアさんが呆れた顔でアルさんを見る。

「まぁなんでも楽しんだもん勝ちだろ」

「でも、このジュース本当に美味しいネ!」

「姉さんのミックスジュースは特に美味しいのです」

 エリカが自慢げに話す。

「私も生産スキル上げてみたいけど賢者の必要スキル数が多いからなぁ……」

「僕が聞いた話だと、装備中は他のスキルが使えなくなる代わりに、下位職の生産を出来るようにする装備があるみたいですよ?」

「そんなのあるんだ! 今度アメリアに作ってもらっちゃおうかなー!」

「愛華は料理作ったりするの好きなの?」

「うん! 作るのも食べるのも大好きだよ!」

「リラも……食べるの……好き」

「そういえば料理スキルとらずに料理作ると、どうなるネ?」

 メイリンが人差し指をあごの下につけて悩ましそうに聞いてくる。

「どの生産もそうみたいだけど、作ること自体は出来るけど、効果が付かないみたいだよ」

「そーなんだ! それじゃあ料理するだけならスキルいらないんだね。 今度キッチン借りて何か作ってみようかなぁ」

 その後、俺たちは談笑を楽しんだ。


 あれから二時間程が過ぎた。

「出来たのだー!」

 庭から大きな叫び声が聞こえ、しばらくしてアメリアが家の中に入ってくる。

「お疲れ様! アメリア!」

「手伝えなくてすまなかったな。」

 全員でアメリアを労う。

「納得いくのは出来たのか?」

「ふっふっふー! これを見て腰を抜かすといいのだ!」

 アメリアはアイテムインベントリを操作し、ダイニングに先ほど作った十人掛けのダイニングテーブルと椅子を設置する。

「でかっ!」

「凄いよアメリアー!」

 愛華が興奮している。

 それもそのはずで、予想を上回る出来栄えの三メートルはあろうかというダイニングテーブルだった。

 せっかくなので俺たちは席についてみることにした。

「座り心地も良いね」

「居心地よすぎて家の中入り浸っちゃいそう……」

 みんなご満悦だ。


「ウチらが出てる間に色んなもの作ってくれてありがとネ! アメちゃん」

「ジュースも……美味しかった……」

「ス、スキル上げの一環なのだ! 全員私のスキル上げのためにもっといっぱい素材を取ってくるといいのだ!」

 照れ隠しに威張って見せるアメリア。

「あとは各々部屋で使いそうな家具はギルドチェストに入れてあるから自由に使えばいいのだ」

「ギルドチェスト?」

「ギルド員なら誰でも好きに出し入れできるアイテムボックスなのだ。リビングのここに設置してあるのだ。」

 アメリアがリビングの隅に置いてあるアイテムボックスをポンッポンッと軽く叩きながら説明する。

「便利なものがあるんだな」

「他に何か必要な物があれば気軽に言うのだ」

「それなら技の鍛錬にサンドバッグとか木人みたいなのを庭に置いてくれよ。」

 ミズさんがさっそくリクエストする。

「嫌なのだ」

 即却下するアメリア。

「はぁ!?」

「アメリア、私も技の鍛錬に欲しかったのだがダメか?」

「良いのだ。明日には作っておくのだ」

「すまないな。ありがとう」

 リディアさんが一礼する。

「……おい! こら! ちび! なんで俺の時は即却下して、リディアなら良いんだよ!」

「ミズは謙虚さが足りないのだ」

「こんな謙虚の塊みたいな男を捕まえて何を言うのやら」

 ミズさんはやれやれといったポーズと表情を浮かべる。

「お前には謙虚のけの字もないだろうに……」

 左手で顔を覆いながらリディアさんが突っ込む。


 こうやって言い合いしてるけど、なんだかんだ仲がいいのがうちのギルドの良いところだ。

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