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ギルドホーム

 先の大規模討伐戦後、俺たちのギルド『Fellow of Dreams』は一気に人数が増え、十人のギルドになった。

 十人に増えたことで、ギルドとしての所持金が増え、さらにボス討伐で得た報酬とクエストの報酬金を合わせると、ギルドホームを購入するのに、かなり現実的な金額を所持することとなった。

 俺たちは全員の合意の上ギルドホームを購入すべく、以前見て回って目星を付けていた、南区の物件を訪れることにした。



 みんなでいつもの喫茶店に集合してから南区に向かうことにした。

「目星の物件はどの辺りにあるんだ?」

 リディアさんが辺りを見回す。

「ここの川沿いですね」

「雰囲気も良さそうなところでしたよ」

「それは楽しみだな」


 俺たちは目的地に到着する。

「良かったー。まだ残ってた」

「それじゃあ……購入するよ」

 俺は事前にみんなから預かった二百万ジェイドの大金を支払う。

 家の詳細情報に『Fellow of Dreams』の名前が追加され、表札にも記される。

「本当にここが私たちの家になったんだ……」

 愛華が呟く。

「こんなに早く手に入るとは思ってもみなかったけどね」

 そんなことを話しているとアメリアの声がする。

「駿、愛華そんなところでぼーっとしてないで、家の中を見に行くのだ」

「すぐ行くよー! 愛華行こっか」

「うん!」


 玄関を入り、ホールを抜けるとリビングダイニングが広がっていた。

「中も広くて快適だねー!」

 玄関横の階段を上がると、どうやら個室もあるらしく、十室以上はありそうだった。

「一人一室は貰えそうだな」

 アルさんがそう言うと、みんな各々自分の部屋を決め、荷物等を置いてリビングに集合する。

「家は買えたけど家具がまだ何も無いから落ち着かねーなぁ」

 ミズさんが何もない部屋に物申す。

「たしかに。リビングダイニングに机も椅子も何もないのは寂しいですね……」

「仕方がない、この私が作っておいてやるのだ」

 アメリアが機嫌良さそうに庭に向かう。

 みんなで後を追うと、事前に作っておいた生産施設をすでに庭に配置していた。

「流石! マスタークリエイター様様だな」

 アルさんがアメリアを煽てる。

「必要な材料があれば僕の持っているアイテムで良ければ提供しますよ」

「リラも……いい……よ」

 フリッツとリラがアメリアに材料の確認をする。

「足りないものがあれば取ってくればいいネ! アメちゃん遠慮なく言うヨ」

「旅は股ずれ世は情けってな」

「それを言うなら道連れだバカモノ!」

 本気か冗談かよくわからない慣用句を口にするアルさんに即座にリディアさんが突っ込む。

「まぁ旅してたら股ずれもするんじゃね?」

「知るか!」

 ミズさんが適当な合いの手を入れ、頬を赤らめて遮断するリディアさん。


 アメリアが家具の生産リストを眺め、足りないものを伝えてくれる。

「んー……他は何とかなりそうなのだが、ダイニングテーブルを作るのにトレントの一枚板が必要らしいのだ。あと、椅子も人数分つくりたいし、他の家具にも必要になってくるから、大樹トレントから取れる『太いトレント原木』を一本と、トレントから取れる『トレント原木』を十本ほど取ってきてほしいのだ」


「トレントって言えば西門出た先にあるカリデュス森林に生息してる、かなり厄介なモンスターだろ?」

「私もまだ相手をしたことは無いが相当強いという噂だな」

「火属性魔法と伐採攻撃が弱点らしいですが」

「それなら、火属性魔法を使える私とフリッツ君、伐採のスキルが高いエリカがいるから何とかならないかな?」

「そうだね、例えトレントの戦闘力が高くても相性の差でこちらが有利かもしれないね」

「姉さんのためにも頑張るのです」

「なら決まりだな! アメリアの嬢ちゃんにみんなでお土産を持って帰ってやろうぜ!」


 俺たちは家具の制作をアメリアに任せ、九人でカリデュス森林に向かった。

 西門を出るとそこは森林と隣接しており、木々が風に揺れ、木漏れ日が踊っていた。

「ここがカリデュス森林か、辛気臭せぇ場所だな」

「リラは……結構……好き……かも」

「静かで何か雰囲気はありますね」

「トレントはもっと奥にいるのかな?」

「愛華、リラ、いつ戦闘になるかわからないから効果時間の長いバフだけでもかけてもらっていいかな?」

「了解だよ」

「……わかった」

 二人が全員に魔法をかけ終わってから森の奥へと進む。

 以前他のパーティが通ったのか森の入り口から獣道が続いている。同じようにトレントを討伐に行った際に出来たものかもしれないということで、俺たちはこれを辿ることにした。


 森を進むにつれ、次第に木々が揺らめきを増し、葉擦れの音が強くなっていく。

 ミズさんがギルド通話で話しかけてきた。

「気づいてるか?」

 リディアさんが応える。

「あぁ、ずっと付いて来てるな」

「何の話?」

 前を歩く愛華が振り向こうとした瞬間、ミズさんが制する。

「振り向くな。気づいてないふりをしろ。五いや、六か。俺が合図したら愛華は右後方、フリッツは左後方に振り向きざま無詠唱で炎属性の範囲魔法を放て」

 ミズさんが二人に指示を出し、二人は無言で頷く。


 ぬかるみで足場が悪くなる道に入る直前でミズさんが合図を送る。

「今だ!」

「ブレイズアロー!」

 ミズさんの合図と同時に二人が魔法を放つ。隙を突かれたトレント五体に命中し、炎上する。

「ちっ! 一匹逃したか」

「残った五体を先に片づけましょう。……ソニックスラッシュ!」

 俺は燃えて身体のあちこちが黒炭になっているトレントにとどめを刺す。

「俺も続くぜ! パワースウィング!」

 アルさんの攻撃がトレントを真っ二つにする。とんでもない威力だ――。

 だが、勢い良く振り下ろして隙が出来たアルさんを二体のトレントが襲う。

「燕返し!」

「鉄砕拳!」

 アルさんにトレントの攻撃があたる直前、

ミズさんとメイリンの攻撃が二体のトレントを仕留める。

残った一体はこの場を離れようとしていたが、逃げ出すトレントにリディアが追撃する。

「ペネトレーション!」

 大穴が空き、その場に倒れる。


 ミズさんが刀を鞘にしまいながらアルさんに話しかける。

「危なかったな」

「バーカ、お前らに隙を突かせるためにわざと大振りしたんだよ」

「まぁそういうことにしておいてやろう」

「負けず嫌いネ」

 リディアさんとメイリンがアルさんに微笑みながら返す。


 俺は倒したトレントからドロップアイテムを回収すると、『トレント原木』を入手することができた。一体につき一本入手出来るようだ。

「一匹は逃しましたけど、これで『トレント原木』は五本手に入りましたね」

「『トレント原木』が残り五本と、問題は大樹トレントだな」

「どこにいるのかなぁ?」

「どこって言っても、とりあえずは奥に進むしかねーだろ」

 俺たちは再び、周りを警戒しながら獣道を進むことにした。


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