被験者5「死刑囚・鈴本の場合7」
刑務所内で隔離された場所へと案内されると医療機器が並んでいた。刑務官に促されるままに椅子に座ると医者っぽい人が
「鈴本さん、今から身体の検査を始めます。病気がないかや血液型などの詳細情報を調べさせて貰います。
この検査の目的は皆さんの体調管理という名目で行われますが、本当は輸血ようの血液を安定供給するための措置であり、白血病の治療のための骨髄の検査をするためでもあります。皆さんは死刑囚で刑務作業に参加できないため時給を上げる手段がほとんどありません。
なので、必要としている人に血液や骨髄などを分けるなどの貢献をしていただき時給を上げていこうとなったわけです。もちろん、あなた方に害が及ぶほど血液を採ったりするわけではなく、健康に気を遣いながら必要最低限で行います。もちろん、やるかどうかは皆さんの同意が必要です。
献血などでは必要とされている輸血が足りていない。でも、健康な方から血液を貰うシステムが献血だけの現状では血液が足りずに助けられた命が亡くなる事もあります。特に珍しい血液型の方もおられますから。
その他でいうと骨髄バンクで適合する骨髄に巡り会えるかが人ひとりの命運を分けるんです。少しでも多くの骨髄情報が必要とされてます。
ご承諾頂けますか?」
「俺は馬鹿だから難しい話はわからない。
どうせ寝てるだけなんだから血が採られてもしんどいとかないだろ。別に良いよ。」
ならほど、健康診断をしてたから他の死刑囚がいなかったのか。先ほどいったように寝てるだけなら貧血になったとしても寝てれば良いし、三食昼寝つきの生活に採血がはいるだけなら問題はないし、自分の血が誰かの役に立てるなら嬉しくも思う。
過去にボコボコにしてきた奴らから『悪魔』だの『人の血が流れてない』だの『バケモノ』などと後ろ指をさされてきた俺が初めて『あなたは普通の人間です』と言われたように感じた所が嬉しく感じた一番の要因だった。




