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How do you think? 『時給生活』  作者: Making Connection


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被験者2 「主婦・山野さんの場合」

私は山野有紀(やまのあき)、40代の主婦である。

大手の企業に勤める同い年の夫と結婚してもうすぐ20年となろうとしている。大学生となった子供は独り暮らしを始めて家には夫婦二人で住んでいる。

夫からすれば結婚と同時に仕事を辞めてパートと家事しかしてこなかった私は世間知らずで夫が養わなければ生きていけないらしい。それに関しては反論できるとも思えない。

子供が同居していた時は特に何も言われなかったが、最近は批難するような言葉が増えてきた。

大手の企業に勤めている事が自慢ではあるが、生活が楽だったかというとそうでもない。なぜなら大手企業に勤めてるだけで何時まで経っても昇進していないからだ。

それについて聞いた事もあったが殴られたりした事もあったから、聞かないようにしている。

近所の人達は何も知らずに裕福な家庭だと勘違いしているため、私がパートに出ている事に批判的な人もいる。

その度に「働くのが好きだから」と嘘をついてきた。

正直に言うと夫は浮気をしている。気がついてはいるし証拠となる物はしっかりと残している、

だからと言って何か行動を起こす勇気はない。

私には圧倒的に経済力がないため、離婚とかになって困るのは私だとわかっていたからである。

そんな中で私は常に誰かに助けて欲しいと思っていた。

たいした稼ぎもないくせに威張り散らし、私も子供も見下してモラハラやパワハラを繰り返す夫ではあるが生活において依存している私は離婚もできない。両親も高齢だし私との関係は良好ではないため頼る事もできない。

考えてみれば人間関係においてうまくやれた事がない。親は世間的に言えば毒親と言うやつで、そこから逃げるために結婚した夫はモラハラ野郎だった。

唯一の救いが子供の存在だった。幼いうちに夫の人間性の低さに気がつき反面教師としてくれたためにまともな子になってくれた。今日も夫が出勤してパートまでの時間で家事をある程度すませてテレビの前に座って一息ついた。

これが私の今のただ一つの安らぎの時間である。

そんなテレビの画面から

『本日から、政府は完全時給生活と呼ばれる制度を導入しました。特殊なブレスレットによる行動の把握により、その人の行動を判断し月に一度、その人の時給に応じた給料が払われます。

善い行動をすれば時給が上がり、悪い行動をとれば下がります。仕事の時給に加え普段の生活が社会に貢献していた場合にも貢献給として給料が払われるので普段の行動を見直して貰う事になるかもしれません。

まずはお近くの役所に行き手続きをお願いします。

これは国民が個人で行うもので家族が代行したり、手続きをしないという事も許されませんのでお時間のある時に手続きをお願いします。』

私はこのニュースを聞いてすぐに自分名義の通帳などを持って、役所に向かった。パートまではまだまだ時間がある。

私はまっとうに生きている、あんな人を傷つけるような夫より私の方が評価されるに決まってる。

これは神様がくれたチャンスだと私は思った。

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