表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
99/117

第九十九話

頭中将と共に牡丹宮邸に行った芙蓉。


一応、家出先も選んだのだ。


左大臣邸に行けば、左大臣と母に怒られるだろう。


三の君の式部卿宮邸に行けば、すぐに東宮の耳に入るに違いない。


でも、だからといって、単身、宇治の別荘にでも行けば、さすがにまずい。


桐壺の女御を守ってくれて、ある程度のワガママを聞いてくれちゃう人=頭中将のお兄さま。


という計算の上である。


ちなみにその計算には、頭中将が芙蓉のことを好きだったということは入ってない。


頭中将からすれば、自分が芙蓉を連れ出したなんてことがバレれば、東宮にどんな誤解を受けるかとドキドキである。


下手をすれば、男女が手と手を取り合って駆け落ちしたように見えなくもない。


特に東宮の眼が嫉妬に狂ってしまったら。


牡丹宮は、芙蓉を見て驚く。


「な、なぜ桐壺の女御さまがここに・・・」


ソワソワキョロキョロ。


落ち着きがない。


いつもの牡丹宮らしくない。


「私、来てはいけなかったかしら?」


いや、来たらいけないことは確かだ。女御なんだから。


母 中将の御方なら容赦なく突っ込んでる。


でも、牡丹宮は今、そんなことにまで頭が回らない様子。


あたふたしっぱなしだ。


その時、初めて見る女性が部屋へと入ってきた。


牡丹宮が顔色を変える。


服装からして、女房といった雰囲気ではない。


誰かしら?


さすがの芙蓉も少し不安になってきた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ