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第二十話

そんなある日、梅壺の女御から、管弦の宴に招く使者がやってきた。


「内々の宴でございますし、他の女御方もいらっしゃるので是非いらっしゃってください」


とある。


中将は眉間にしわをよせた。


「行かなかったら行かなかったで失礼になるし、行けば行ったで新参者の女御のあら探しをするでしょうし、どうしましょうねえ」


「あら、管弦の宴ならば、弾くのは大丈夫よ?」芙蓉は、むしろ楽しそうだと思っていたので驚く。


「確かに、弾くのだけは大丈夫ですけどね…」


中将は頭を抱える。


芙蓉ときたら、たいていのことをこなすくせに、子供っぽいからなのか、お世辞や社交辞令が苦手で、感情表現が、なんでもストレートすぎるのだ。


そのあたりが、女房ではないけど姫君っていうわけでもないっていうポジションを表しているのかもしれない。


本物の女房ならば、もう少し、客あしらいが上手くなっていたはずである。


家族としては可愛らしいけど、ここは陰謀うずまく後宮である。


今までは、単なる使いの女房相手だったので、なんとかなったが、他の女御と会うとなれば、芙蓉が対応しないわけにはいかない。


中将は頭が痛くなる思いである。


だからといって、断るわけにもいかない。


仕方がないので、せめてもと衣装の準備を頑張らせる。


「女御が失敗すると姉君である藤壺さまも笑われるのでございますよ」


と呑気な芙蓉に、口を酸っぱくして言う。


やがて、帝もこの話をききつけたという噂が聞こえてくる。


内々だと言われたわりに、規模が大きくなってきてしまった。


左大臣まで話を聞きつけ、右往左往している。


果たして、この宴、どうなってしまうのか?

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