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真からでた嘘の活用法  作者: 空凪
4/6

お仲間登場

新キャラ登場です。あとはまあ少し進んだだけです。

生まれてこのかた相談なんてどうでも良いことしか聞いてこなかったかったから真剣な表情のゴードンさんに若干気圧されながら話の先を促す。よもや、異世界ものの定番であるこの世界を救ってくれだの魔王を倒してくれだのといった頼みごととかなのだろうかと身構えていると。


「実は、お前と同じ故郷の奴がいるのだが、少し厄介な奴でな…そいつがまあ、俺たちが保護してからというもの全く働かない、そのくせ食うものはしっかり食う奴でな」


色々要約すると、この世界に来てまでニートやってる困ったちゃんがいる。だから同郷のよしみで引き取ってくれ。というわけだった…ゴードンさんが散々頭おかしい呼ばわりしてきたのって主にそいつが原因なんじゃなかろうか……ていうか、それを俺に押し付けるとかなかなかゴードンさんがひどい。優しいお兄さんだと思ってたのに!


「あー…まあ、少し考えさせてください。とりあえず俺もこっち来たばっかりなんで不安なもんで。」

「そうか…いや、こちらも無理を言ったな。とりあえず顔だけ合わせてみないか?」


何だろう。同情でも誘おうというのだろうか、少し相手させて情をうつらせようという作戦なのだろうか。まあ、曖昧な返事ばっかりでなく顔をみてはっきり断った方がいいかと思い了承した。


ゴードンさんが階段を登ってその人を呼びに行くと、何だか上からガタゴト音がし始めた。次第に音は激しくなりギャーギャーと声まで聞こえてくる。


(マジで引きこもっちゃってるじゃん…部屋から出たくなくて必死の抵抗してるのが目に見えるようだよ…)


しばらくすると静かになり、かわりに何かを引きずってくる音が聞こえてくる。……ゴードンさん、容赦ねえな…。


「悪い、またせたな」


少し青筋を浮かべているゴードンさんに敬礼。ご苦労さまです。そして、その右手に抱えられぐったりしている姿に少しばかり意表を突かれる。それは、どうみても女の子で予想の斜め上をいくほど可愛かったからである。


「うぅ…ホント勘弁してよぉ。ゴードンさぁん……せっかく1日の睡眠時間の新記録が更新できるところだったのにぃ」


泣きながら懇願する姿もなんか様になっていた。そして、なかなかのダメっぷりだった。それを聞いてため息をつくゴードンさん。

長い黒髪と、猫のようにパッチリクリクリした目。ゴードンさんに抱えられる姿からもなかなか小柄な身長で、年齢は小学生か中学生にしか見えない。


「こいつはミクという。このとおりの怠け者でな。せっかくだから君と組んでもらって仕事をしてもらおうと思っているのだが…冒険者のな」


どうやらこの世界には冒険者という職業があるらしい。その言葉を聞いたミクという名前の女の子は顔を青ざめる。


「そんなぁ!ゴードンさぁん!一生養ってくれるんじゃないんですかぁ!?しかも年頃の乙女と男を組ませるとか常識がたりてないですよぉ!それにそれにええっと……ほら!私って力仕事とか向かないし、1日12時間は寝ないといけない病気というか!」


確かに病気だった、社会不適合という名の。というか、単に働きたくない文句だった。しかし、ゴードンさん、この子に対してはなかなか鬼畜である。


「別に仕事と言ったってお前のセンスだったらギルドの討伐依頼だって中級レベルは楽に達成できるだろう。それに、働く条件としてお前がだしたニホン人を連れて来いという条件もちゃんと聞いてやったんだからちゃんと働け!」

「うぅ…確かに言ったけどできればもっと頼れる人が良かったよぉ〜…お仕事全部やってくれて養ってくれる人っていう条件もつければよかったなぁ」


なんだか既に押し付けられる方向に話が進んでいる気がする。マズイ、さっさと断らないとマズイことになる予感がする…。


「えーと、ゴードンさん。ちょっと良いですか?」

「ん?あぁ、ギルドっていうのは簡単に言えば何でも屋みたいなもんでな、モンスター討伐やキャラバン護衛などの依頼を受けることができるところでな」

「あ、いえ、そのことではなくてですね」

「安心しろ、モンスターといっても受けるクエストによってしっかり難易度は分かれているしそうそう危険なものもない。ミクもなかなか良い使い手ではあるんだが、まあなんとかなるだろう」

「いや、あのぅ…」

「よし!善は急げだ、さっそくギルドに登録しに行こうじゃないか!」


ゴードンさんがすごい強引だった。なるほど、顔合わせくらいと思ってたが甘かった…こんな強行手段にでるとは思わなかった。いっぱい食わされたというところか、お茶しかだされていないが。

そこからギルドに移動する間にそのシステムについて一通り話を聞いた。ギルドの冒険者には階級があってそれが高ければ高いほど難易度が高いクエストを受けることができ、報酬も上がるという。まあ、分かりきってはいるが、やっぱりどの世界でも同じようなシステムなんだなぁと変なところに共感する。ちなみにランクは星の数で表されるらしい。モ○ハンみたいである。そして、ギルドに着くまでミクは一言も話さずぐったりしたままゴードンさんに担がれていた。

主人公が空気……もうちょっとがんばれ!

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