優しい門番さん
いやぁ、続きは気が向いたらとか思ってましたがなんか書いてました笑
書き出すと止まらないもんですね。
とりあえず、世界の設定とかを説明できたらなっていう回でした。割と自己満の強い作品なので読んでくださると泣いて喜びます。批評でもなんでも意見は貰えるのは嬉しいですので何卒よろしくお願いします。
「その珍妙な格好…もしやニホンという国から来た者か?」
予想外の質問で一瞬硬直しかけたが、あくまで平静を保ちつつ、話が通じそうだと安堵しながらこちらからも疑問を投げかける。
「ええ、そうですけど…ご存知なのですか?」
「あぁ、君のように珍妙な格好をした者はごく稀ではあるが時折訪れることがあってな。一様にその者達はニホンから来たと口を揃えて頭のおかしい事を喚き立てるのだが……君は話が通じそうだな」
どうやらこの世界に召喚された者は俺だけではないみたいだ。言葉は通じるようだしそれほど苦労はしなさそうだが同郷の人物がこの世界にもいるというのは少しではあるが安心感もある。
「ははは、そうですか。では、せっかくなので色々聞いてもよろしいでしょうか?御察しの通り僕も他の頭のおかしい人たちと同様に右も左もわからない者で」
「ふむ、やはりそうか。ならば少し待っていてくれ、休憩所で話をしよう。」
なかなかゴツくて厳つい顔つきのおじさん(おにいさん?)はその容姿に似合わずなかなか物腰が柔らかく優しい雰囲気も併せ持った完璧なおじさまだった。マジで助かる。異世界に飛ばされて初っ端からこんないい人に当たるとは日頃の行いが良いおかげかな…いや、良かったらそもそもこんなことになってないか?
しばらくの間、門の近くの柵に寄りかかっていると集落からパカラッパカラッと軽快に駆ける馬の蹄の音が聞こえて来た。その方向を見ると馬が二匹とその内の一匹に乗った男が一人、こちらに向かって駆けてきていた。門番さん(ゴードンというらしい)と少し話をしてから10分も経っていないのに、いつの間に連絡をしていたのか、もう迎えが来たようだ。
「では、マコトくん行こうか。馬には乗れるかい?」
「えーと、すいません、あんまり自信ないです」
「ふむ、そうか…一頭余計だったか。なら私の後ろに乗りなさい。」
かくして、人生初の乗馬はなんとも頼れるナイスガイの後ろで初体験を迎えることになってしまった。……これ、俺が女だったら惚れてるまであるな。
「休憩所は近くだがあまり住人に注目されるわけにもいかんだろう。少し揺れるが我慢してくれ」
「はーい。よろしくお願いしまーす」
ゴードンさんの腰に腕を回してガッチリホールドする。めっちゃ逞しい、てか頼もしい!ていうか割と揺れが激しくてしっかり腕を固定していないと落ちてしまいそうになる。
(なんていうか、兄貴!って感じの人だなぁ、他の門番さんからも慕われてるようだったし、リーダー的な人なのかな?)
つくづく自分の運の良さがわからなくなってくる。
数分間、乗馬を楽しんでいるとどうやら目的地に着いたらしい。割と大きな建物で、警護団の休憩所兼宿舎になっているようだ。馬の背からヒョイっとゴードンさんに降ろしてもらうとなんだか高校生にもなって子供扱いされているようで若干恥ずかしいがそこらへんはスルーだ。
「では、色々話をしようか。とりあえず君の聞きたいことから始めよう」
宿舎に入ると数名の男達がこちらに視線をよこして少しばかり好奇の類も含ませるがすぐに平然とした雰囲気へと戻る。どうやら本当に俺たち日本人は珍しくはあるがこちらに来ているらしい。
「ええと…では変な質問かと思いますが、この世界に魔法とか、そういった類のものってありますか?それと、モンスターとか」
まず聞きたいことはこれだった。ここが本当に異世界だったらモンスターとかいなければのんびり暮らせるし、魔法があったら使ってみたいと思ってたし。
「うむ、やはり知らないのか。他の者達も魔法などそういったものを知らない連中も多くてな。その割に、魔法という概念は知っているくせに、魔法そのものの種類や分類を理解していない奴もいた。君もそうかい?」
「ええ、すいません。えーと、私の故郷では魔法というのはほんの一握りが使える、いわばおとぎ話の世界での概念だったもので詳しくはないんですよ」
ゴードンさんは俺の言葉の真偽を図るためかじっと目を見ている。しかし、嘘は言っていない。ニュアンスは異なるが大体そんな感じだろう。
「…ふむ、なるほど。ならばやはり君たちの言うところのスキル、私達はSenseと呼んでいるがそれも知らないか」
「センス…?スキルと似ていると言うと技とかのことですか?」
「うーむ…君達に理解できるかはわからんが生まれ持っての才能、能力、力のことだな。魔法はある程度の魔法適切があれば誰でも使える共通の技能だが、センスはそれぞれ個人が生まれ持った特殊な力の事を言う。バリエーションは魔法の種類を軽く凌駕するな。魔法の種類も少ないわけではなく寧ろ膨大だが、センスは人の数、魔物の種類だけあると言われているからな。」
なるほど、つまり文字通りセンス、その人が持つ技術ってわけか。だけどそれって……
「えーと、それって自分にもあるんですかね…?おかしな話ですが生まれてこのかたそんなの調べてこなかったもんで…」
「安心しろ、他の頭のおかしい連中も持っていた。君にもあるだろう。寧ろない方がおかしい、この世界中、どんな幼子でも必ず持っているものだしな。ここへ連れて来たのも君のセンスを確かめるためでもあったのだしな。」
「えーと、具体的にどうゆう能力があるんですかね?そのセンスっていうのには、魔法の方はともかくとして」
「そうだな、身体系、変化系、武装系、召喚系、魔法系、特殊系…大きく分けてこんなところだろう。細かい説明は君の系統を把握してからにしようか。属性の相性や耐性なんかも教えるとなるとキリがないしな。」
というわけで異世界は割となんでもありの剣と魔法とセンスが入り混じるファンタジーな世界だった。はてさて、俺はどんな能力を授かっているのやら…
まだまだ主人公の詳細とかは書かない予定ですかね。とりあえず下地から……本当に気が向いたらの投稿なのでほんの数時間後か数ヶ月先かわからない不安定な投稿になると思います。二話目も一話書いた後しばらくして書こっかなぁって思って一時間くらいでササッと書いたので結構不備があると思いますが何卒よろしくお願いします。ちなみに空凪はなかなかのメディア音痴なので書くことよりも投稿する方に苦戦しています笑
ちょいちょい修正とかもやり方がわかったらしていく所存です。