表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

49/51

ジジイ軍神神殿へ

 屋敷の工房にてラジエルの最適化を終える。


 この作業は地上のものである身体に対して、より高位世界に親和性の高い精神を優位におく作業じゃ。

 これにより、ラジエルはより効果的に相手の高位存在共に対して痛撃を与える事が出来る様になった。


 アルテアもの同様じゃが、こちらは更にバルキリーの動力源である悪魔達の魂の階位を無理やり引き上げる効果も期待できる。


 あとは……


 ワシじゃな。


 元々からして高位存在である錬金人形姉弟や、異世界からの渡りの際に魂に力を得た悪魔と違い、地に生きる者であるワシは今のままでは高位存在共と存分に渡り合うことは出来ぬ。



 じゃからワシは人をやめる。



 一般にワシの様な高位の術者が人をやめるとゆうと、魔物や不死者、または器物への魂の転写などじゃがそれでは地に生きる者の縛りからは抜け出せん。


 ゆえに死ぬ。


 肉体を捨て、更には魂の楔からも抜け出すことで精神優位の存在となり、これにより高位存在と渡り合える力を得る。


 ワシに自然のまま生きて死んでほしいと願った嫁の想いを裏切る事にはなるが、まあ叱られはするじゃろうが許しては貰えるじゃろう。


 魂の輪廻からも外れてしまうが嫁と一緒ならばそんなに悪いものでもないじゃろうしな。



 ただ、これだけでは高位存在共と同じ土俵に上がれるとゆうだけで衝突の際にはアッサリと返り討ちに遭うじゃろう。


 高位存在の力は持って生まれた格と地上から吸い上げた信仰で決まる。

 元が人であるワシではアルテア達の足手まといにしかならん。


 じゃが、我に秘策有りじゃ!


 ワシ個人に祈りを捧げるもの好きなどはおらぬが、ワシの作った物を神の恩恵として尊ぶ人々は沢山おるはずじゃ。


 技術のより高みを目指し日々の作業に励む生産者達、自らを鍛え上げ、誰よりも強くなろうとする武芸者達、その他も含め、自らの【スキル】をより高めんとする人々の愛用品。


 ワシ謹製、スキル護符の愛用者達の向上心をごっそりと力の供給源とするのじゃ!


 フォフォフォ、たまたまとはいえ、単なる嫌がらせの品がこの様な僥倖をもたらすとは。

 怖い、自らの才能が怖すぎるわい。

 やっぱりワシ凄い!


 他にも応援のアテもあるしこれはもう勝ち確とかゆうやつじゃろう。

 チャチャっと勝って玄孫の呪いを解いてやらねばの。







 小言を食らうのはごめんじゃから、別れの挨拶は誰にもせなんだ。

 ことが済んだ後に夢枕にでも立って一方的に(ここ重要じゃ)事情を伝えれば良いかなと思っておる。


 で、じゃ、ワシは今、軍神の神殿に詣でておる。

 別に戦勝祈願と言うわけでは無い。


 ワシが人をやめた後いきなり敵陣真っ只中では困るじゃろ?

 じゃから確実に味方と言える神の聖域で事を成すのじゃな。


 知識神の神殿でも良いのじゃが、あそこではいきなり戦闘となると多少心もとない。

 武闘派とゆうわけではないからの。


 その点、軍神のお膝元ならば何の心配も要らぬ。

 神話によれば武神や戦神、名だたる武闘派の神々をその神剣の一振りで切って捨て、神の時代の幕引きに一役かったとゆう武闘派の頂点、荒ぶる破壊の女神。

 それが軍神じゃからの。


 何を隠そうアルテアとラジエルの元となった神の為の剣こそ、この軍神の剣じゃ!

 もう、聞いただけですごかろう?


 ワシもあの剣を見たときは大興奮じゃったわい。

 思わずガンド相手にうんちくまくし立てて、更には構造を可能な限り分解してしもうたくらいじゃ。


 アルテアなども先程からソワソワしておる。

 ちょっとした里帰りみたいなもんじゃしな。


 ではちゃっちゃと人間やめるかの。

 バルキリー結界全開、いざ新たなる境地へ!

 恐れるは嫁のお小言ただ一つじゃ!!





 おうふ、身体から力が抜ける。

 目の前が白く染まりやがて光が……


 バシ!!


 うが!


 いきなり後頭部をはたかれる。


 何と!高位存在になったはずのワシの頭をはたくとは!!

 何者ぞ!


「ゼクセン!もう!あなた何やってるのよ!!」


 いきなり叱られ、声の方に振り向くと、そこには白銀に煌めくドレスアーマーに身を包み腰に手を当てお怒りのご様子の軍神の姿が。


 ああ、ワシの女神、我が最愛の妻……


 ワシを残し一人天へと還った麗しの乙女

 沢山聞きたいことがあった、沢山話したいことがあった。


 そしてワシは一言





「きちゃった」




 バシっ!!


 はたかれた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ