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Quest6 森

くっそ眠い……

 未知なる異世界に踏み出した……は、いいものの澪夜はすぐに足を止めることになった。


 なぜか。


「ここ、どこだよ」


 現在地がわからないのである。

 突如、飛ばされた場所は森の中。それも、先ほどのメッセージを見るにエリュシオン・オンラインとは似ているが、世界はまったく異なっている。

 つまり……エリュシオン・オンラインならともかく、まったく何もわからない土地に澪夜は一人放り出されたのだ。

 土地勘なんてあるわけがない。


 第一、さっきまでいた場所とは違い、今澪夜が居るのは木々が乱立する場所。およそ道と呼べるものはなく、せいぜいが獣道くらいのものだ。


「はあ……仕方がないか」


 澪夜は呟くと、MainMenuを開き、MAPのアイコンをタップする。

 すると、視界の隅に長方形のMAPがポップアップする。形としてはエリュシオン・オンラインで見慣れたものだ。

 澪夜はMAPを操作し、周囲を確認する。

 ただ……どれだけ確認しても、周りは木で埋め尽くされていた。


 一番近い森の端でも、現在地からの直線距離はおよそ66㎞。

 東京から鎌倉までの距離とほぼ同じである。


 澪夜は、迷わないように一応森の端にマーカーを設置すると、ナビゲートに従って歩きはじめた。



 澪夜が向かう先は、クラウディス王国。

 最強の呼び声高い【剣聖】を擁する大陸屈指の大国である。

















 ◇◇◇◇◇

 澪夜がクラウディス王国へ向かって歩きはじめて数時間が経った頃、澪夜の居た森……アーヴェンデルト大森林から程近い街道を数台の馬車と騎士の集団が進んでいた。

 その中でも特に目を引くのが、贅の限りを尽くした装飾が施された4頭引きの箱馬車である。素人目に見ても、馬車は勿論のこと、馬や御者も一流のものだとわかる。

 そして、余程身分の高いものでも乗っているのか、周りには常に騎士が張り付いていた。




「マーク、随分と眠そうだな!」

「まあな。どっかの誰かと違って真面目に夜番をしてたからな」

「うぐっ!わ、悪かったって…許してくれよ、なんでもするから」

「ん?今なんでもするって」


 二人の騎士が、軽口を叩きながら馬車の前を並走している。

 護衛という立場の二人がこんな軽い感じなのには理由がある。それは、ここは比較的安全であるということと、自分たちの力に自信があるということ、そしてこの馬車を襲う人間など居ないとかんがえていることなどだ。


「ちょ、おま、俺のこがっ!?」

「ジャン!敵襲、敵襲!!」


 二人が話していると、突如ジャンと呼ばれた騎士の頭に矢が刺さった。そのまま、崩れ落ち、落馬するジャン。

 マークは叫び、後方および馬車に敵襲を知らせる。

 マークの言葉を聞き、馬車は止まり、他の騎士たちも、馬車を守るように陣形を作る。


「マーク!報告しろ!」

「は!何者かによりジャンがやられました!弓矢です!」

「方角は!?」

「恐らく一時の方向からです!」

「聞いたな!!

 敵は、人間または亜人系モンスターだ!!警戒を続けろ!!」

「「「は!!」」」


 指揮官と思われる壮年の騎士の声に、騎士たちは声を揃える。

 馬から降り、剣を抜き、視線を走らせる。


 そして、数十秒が経ち森の方を見ていた騎士が叫んだ。


「オークが多数!!」


 と。

 その声に反応するかのように、オークたちが一斉に飛び出してくる。巨大に見合わぬ俊敏な動きだ。

 それもそのはず、このオークたちはただのオークではない。オークソルジャーと呼ばれるオークである。


 騎士たちはオークソルジャーと剣を交わす。

 オークの剣を盾で弾き、斬りかかる。

 だが、有効打を与えるには至らなかった。


 正にジリ貧。

 それでも、騎士たちは懸命に戦い続けた。




 後に語られるオーク戦争。

 その序章が人知れず、開演した。



 そして……これは新たなる英雄の誕生の序章でもあった。

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