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Quest5 旅立ち

「異世界…異世界か……」


 澪夜は小さく反芻する。

 異世界…ということは、当たり前だが、地球ではない。そして、先程殺したゴブリン(仮称)も、作り物ではなく本物であるということだ。

 だが、その事に関しては何も感じていない。殺らなければ殺られる。その位の覚悟はあった。


 それにしても……。

 澪夜はステータスを見なおして、考える。

 このステータスは見覚えがある。勿論、エリュシオン・オンラインでだ。ただ……能力値が違う。転生したので、前までのものとは違うのは当たり前だが、それでも違う。転生後の能力値の算出方法ははシステムによって規定されている。そして、澪夜の能力値は、全ての項目で本来考えられる数値より10万ほど高い。


「種族特性……か?」


 澪夜は冷静に、可能性を考える。

 因みに言っておくと、種族特性で正解であるが、澪夜はまた別のことを考えはじめた。


 それは……


「元の世界に戻れるか」


 重要なことである。

 澪夜は別に天涯孤独というわけでもなく、俗に名家と呼ばれる家に生まれただけの普通の高校生だ。

 今はひとり暮らしでも、実家に戻れば両親や祖父母も居る。突然消えでもしたら心配をかける。

 他のことは大して考えないが、それはかなり気にしていた。


 ピコンッ!


 突然、音と共に澪夜の眼の前に『(レター)』マークが出現する。これもエリュシオン・オンラインで見慣れたものだ。

 ……ここまで自己主張(光り輝くエフェクト付き)が激しいものでは無かったが。


 澪夜はうるさいそのマークをタップする。

 そして、開かれたメッセージには澪夜がこの先どうするかを決めるには十分なことが書かれていた……



 纏めれば…

 メッセージの差出人は神を名乗る謎の人物(神物?)

 ここは異世界である(知ってた)

 勝手に連れてきてゴメンネ(本当だよ)

 でもこういう予定だったんだ(What?)

 この世界(というより地球のある世界以外の世界)は定期不定期問わず、なんらかの刺激(主に転移や転生)を与えなければならない。

 だが、その為には異世界を知ってもらわなければならない。

 そこで考えられたのが、ゲームである。

 特にエリュシオン・オンラインはメニュー画面などを除けばこの世界にかなり近い。

 そして、神人(半神)となった澪夜を転移させた。

 本来は種族のみをそのままに転移させる予定だったが、エリュシオン・オンラインのステータスが澪夜に根付いていた。

 故にそんなステータスになっている。

 勿論、勝手に連れてきてしまったお詫びをさせてもらう。(えらく優しい神?だな)

 まず、オリジンスキル【全能力値10乗】と【能力上昇値10乗】を与える。次に、一部のアイテム(エリュシオン・オンラインだけに存在したもの)を似たものに変える。

 最後に、元の世界で澪夜は居なかったことになっている。

 そうなってしまったことを謝る。


 とのことだった。


 元の世界で存在を抹消されている。

 それを知り、澪夜の心は決まった。決めざるを得なかった。


 この世界で生きていくと。





 幸いにして、澪夜のアイテムは残っている。

 まず、澪夜は武器や防具を装備しはじめた。


 澪夜の戦い方は、回避を行いながらの魔法と刀によるものだ。

 そうなると、あまり重い装備は合わない。

 結論として、澪夜の装備は、上半身の局所を覆う金属と革の鎧と特殊効果の付いたものとなる。さらに、刀を使うために、手には指輪を着けることは叶わない。

 そして、わかったことだが、この世界ではエリュシオン・オンラインとは違い、装備はかなり自由に着けられるようだ。


 最終的に澪夜の装備は以下のようになった。


 頭:【滅神のイヤーカフ】

 胴:【暴虐ノ黙示録(鎧)】

 ꙩ 【失楽園(外套)】

 ꙩ 【滅神のシャツ】

 手:【災禍の御手】

 足:【死神の夜】

 ꙩ 【疾風の熾天使】

 飾:【滅神の首飾り】

 武:【禍津姫】


 全てがプレイヤーメイド……澪夜作である。

 公式チートと呼ばれた装備たちだ。


 ほぼ、黒で統一された装備を身につけ、澪夜は未知なる異世界へと踏み出した。

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