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Quest11 魔法

あいつらが、来やがった。


そう。我々の敵。

因縁の相手。

中間試験(デビルオブテスト)だ。

「長閑だ…」


澪夜は青空を見上げながら言った。

住んでいた都心とは比べ物にならない広い空は、田舎の実家を思い出す。都市部から少し外れた場所に建つ実家を。

ああ、そういえばあの子は元気だろうか。澪夜は同い年の……俗に幼馴染と呼ばれる女の子をふいに思い出した。と、同時になんとも言えない感情に襲われる。自分とその子の関係を思い出して。


「……よし、休憩しよう」


澪夜は呟くと、近くにあった大きめの岩に腰掛け、インベントリから干し肉を取り出した。

ここで説明をしておくと、エリュシオン・オンラインでは一部の料理はなんらかのバフがかかる。勿論、その効果は作った者の各レベルに準拠するが、多少とはいえバカにできない効果のため上位プレイヤーは料理人のクラスを持っている場合があった。

となると、澪夜がそのクラスを持っているのも当然で、軽々しく食べているこの干し肉もかなりの高ランク品だったりする。











「よし、行くか」


澪夜は干し肉を食べ終わると呟いた。

と同時にあることをしてみたくなる。せっかくの異世界なのだ。やはりあれをやりたい。


「そう、魔法を」


言った瞬間また『✉』マークがポップした。


「??」


澪夜は戸惑いながらそれをタップする。内容を読むとやはりというかなんというか、差出人は神。そして、本文にはかるい挨拶と魔法についてが書かれていた。

それ曰く。

魔法は魔力を消費して使用する。

この世界の魔法系スキルにはレベルが存在しないが、魔法自体に等級がある。

魔法は自由度が高く、簡単な下位魔法に上位魔法程度の魔力を込めることもできる。もちろん、難易度は高い。

魔法は新たに作ることも可能だが、大体が既に存在している魔法のアレンジである。

魔法は起きる現象の具体的なイメージをすることで効果が、あがる。だが、抽象的なイメージで使用するものの方が多い。

詠唱はそのイメージをしやすくするもの。

魔法属性には様々なものがある。

などいろいろあるらしい。


では、ここでその等級などを書いておこう。

基本的に魔法の等級は【位階】として表され、1から11まで存在し、数が大きいほどに強力となる。


次に属性。

まずは基礎となる

【基礎属性】

『土』『水』『火』『風』『無』

次に基礎属性の上位

【上位属性】

『地』『氷』『炎』『雷』

数の少ない希少な属性

【希少属性】

『光』『闇』

ここまでが一般的なものだ。

これ以外に、

上位属性や希少属性の発展である

【発展属性】

『岩』『爆』etc.

クラスによって取得する

【クラス属性】

『神聖』『回復』etc.

特殊条件や種族特性などで獲得できる

【特殊属性】

『死霊』『木』etc.

伝承や伝説に語られる

【伝承属性】

『空』『海』etc.

固有の属性である

【固有属性】

『霧』etc.

が種類として存在し、適性と呼ばれるエリュシオン・オンラインには無かったものが存在し、適性のない属性は著しく魔力効率の低下や威力減衰が起こる。


例外的に澪夜はそれに含まれていない。


澪夜はそれを見て、自分のもっている魔法スキルを確認する。

基礎、上位、希少は全て持っている。その他も大抵持っている。

知らぬ間に固有属性【世界】とやらも持っている。

それを確認して自分のことながら澪夜は苦笑いする。ここまで魔法スキル持ってるやつも居ないだろうな、と。

確かにそれは居ないだろう。なにせ、エリュシオン・オンラインで新たな属性を覚えるというのはかなり難しいものなのだから。それに、伝承属性に分類されるものだって持っているのは澪夜含めて数十人。そんなものを持っている廃人でもいいところ基礎上位でいっぱいいっぱいだ。


澪夜はとりあえずということで、書いてあったとおりに魔法を使ってみる。


「まずは魔力を感じる。人によって感じ方は変わる……なるほど、これだな」


澪夜は身体を回る魔力を感じ取る。


「次にそれを操作する。これができなければ魔法は諦めよう……操作。ん、できた」


「次は魔力をどこか(簡単なのは手)に集めて外に出してみよう。それができたら後はイメージだ。イメージができれば自動的に脳で術式が組まれて魔法が使える」


「じゃあ、水50cc……あ、でた」


澪夜の右手から水があふれだした。


「因みに、魔力操作ができないと魔法が使えないわけではない。ただ、できると、放った後の魔法も多少操作できるから便利」


「それと、術式とか言ったけど、難しいものではない。要するにイメージを具現化することだと思えばいい。つまり、あんまり関係無い……なんじゃそりゃ」


「最後に……イメージ最強………………この神、適当だろ」


澪夜の中で神の評価が決まった瞬間だった。




そして、一時間後。

澪夜は魔法を完璧に使いこなすというなんとも言えない状態になっていた。しかも、他のアビリティまで使いこなすという始末。

スキル無しでも発揮される澪夜本来の才能のほうがある意味チートなのではないだろうか。

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