夢日記 H28.1.4
長らく帰っていない地元の、地域のお祭りにいた。
子供達の泥遊びや盆踊りの様子を、母と二人で眺めていた。
「これから椅子取りゲームを始めます。座れた人には10万円差し上げます」とアナウンスが流れた。
大勢の人達が椅子に向かって走り出した。
これでは座れないだろうと思い、私は動かなかった。
隣にいた母が走り出したので、慌てて追いかけた。
「お母さん無理だよ!」と私は叫んだ。
「もしかしたら座れるかもしれないでしょ!10万円だよ10万円!」と母は言って聞かなかった。
椅子の所まで行くと、意外と空きがあった。
母が一目散に座り、私は母から3つ離れた椅子に座った。
車掌さんの格好をした男性が来て、「あなたは〇号車〇番の席ですね」と言われた。
椅子に座った一人一人の座席を指定しているようだった。
気づくと電車の中にいた。
少し離れた所に母が座っていた。
「お母さん、これから何処へ行くんだろうね」と話しかけた。
母の姿はふっと消えて、代わりに外国人の男性が座っていた。
間違えた、と思い慌てて「Sorry」と謝罪した。
男性は、「Your foot is bad」と言った。
「あなたの足は腐っている」という意味だと思った。
「My foot?」と聞くと、「Yes」と答えが帰ってきた。
立ち上がって車掌さんに「母は何処ですか」と聞いた。
車掌さんは、「あなたのお母さんは…」と呟いた後、「座りなさい」と言った。
大人しく座ることにした。
後ろの席で、男の子が立ち上がった。
その子はH.Aと名乗った。
私の同級生だった。
H.Aくんは、「僕は今小学6年生で、家が火事にあったり大変だったけど、周りの友達みんなが励ましてくれて嬉しかったです」と言った。
H.Aくんの近くにいたM.Iちゃんも、同じく小学6年生だと名乗って話し始めた。
おかしい、と思い辺りを見渡した。
みんなたくさんのお土産を抱えていて、旅の帰りのようだった。
何も持っていないのは私だけだった。
再び立ち上がり、車掌さんに声をかけた。
「またあなたですか、何ですか?」と言われた。
「H.AくんもM.Iちゃんも、私の同級生です。でも2人とも小学6年生なのに、私は小学校も中学校もとっくの昔に卒業して、もう23歳なんです」と言った。
車掌さんは私の顔をじっと見て、「ですよねえ、おかしいと思ったんですよねえ」と言いながら、座席の間をすり抜けるようにして私の元へやってきた。
耳元で囁かれた。
「これは人生の列車です。本当はあなたはお友達のように小学6年生でこの列車を降りて乗り換えなければならないのに、降りることができないんです。それはあなたのお母さんが借金をしているからですよ」
借金とはどういう意味だろう、と思い尋ねた。
車掌さんは、「椅子に座れたら10万円差し上げると言ったでしょう?それは時間のことなんです。あなたのお母さんは自分の分の10万円を使い果たし、あなたの分にまで手をつけて使い果たしてしまったんですよ。だからあなたは何の荷物も持っていなくて列車を降りる事まできないんです」と言った。
私は叫んだ。「私のお母さんはそんな事しません!」
そこで夢から覚めた。
いつもの天井を見上げながら、私はもう一度叫んだ。
「私のお母さんはそんな事しません!!」
鮮明な声が薄暗い部屋に響いた。