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ファンタジーにおける科学論  作者: 犬養 黎也
第一章 村での生活
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03

 「よし……始めますか。」


 村祭りの次の日から、まだ小さいから手伝いもさせてもらえないため、暇である午前中から魔法の練習を始めることにした。この国では魔法の練習方法として最も定番のものがある。それは火を眺めながら瞑想することである。魔法とは自身の持つ魔力を用いて、現象を操作するものであるとされている。これは火のエレメントを感じることで火をイメージしやすくするというもっとも簡単な訓練の一つであり、エレメントの基礎を体感できる方法である。道化師はその方法をまるで集まった全員に魔法使いになれと言うように(実際に魔法使いを1人でも増やそうとしているので間違ってはいないが)全員に説明していた。


 聞いただけでは感覚がつかめないため、実際にやってみることにした。まず、火を眺め続ける。貴族はこの時に蝋燭の火を使うらしいが、俺は竈の火を見ることにした。そして、火を眺めながらその火の原理を理解していく。火は物質の急激な酸化に伴って発生する現象である。物質に対しておる温度に達すると酸化現象が発生する。そして、物がある限り燃え続ける。この理解から燃えやすい物を出すこととそれを着火することができれば炎が発生するはずである。ここから考えて、魔法で可燃性のガスを発生させ周りの酸素を使えば炎が発生する。後はイメージを進めるだけであった。そう、ガスバーナーのように人差し指のところから魔力から作られた可燃性のガスを噴射し、それに周りの空気を…酸素を集めていく。そして、着火はちょっとした火花。するとイメージが固まると自分の人差指から炎が発生するしていた。


 瞑想から現実に引き戻された。チャッカマン程度の炎であったが、自分の体から炎が出ていれば非常に熱かった。


 「うぉ!あつ!」


 びっくりするとイメージが崩れてしまい、一瞬にして炎は消えてしまった。


 「今、一瞬だったけど炎が出ていた。」


 魔法の存在がわかってから1日しかたっていないが初歩の初歩ながら魔法ができた。この喜びは魔法を知ってしまったことよりもはるかに大きかった。


 「うほ!魔法が使える。なんてこった。」


 村では魔法が使える人間をみたことがないため、魔法は使える可能性は低いと考えていた中での魔法の成功は格別のものであった。


 「でも、小さかったな。練習次第でもっと大きな炎が出せるようになるかな?」


 そして、瞑想を行い魔法のイメージを定着させていった。

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