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ファンタジーにおける科学論  作者: 犬養 黎也
第一章 村での生活
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 師匠の唐突の別れの言葉に、その夜に自分の未来について考えることになった。


 「自分の未来か……」


 前世でも深く考える機会がなかった未来というもの。

 前世では親に言われたとおりに生活して高校まで通っていた。


 「高校行くのも疑わなかったからな。」


 もしもそのまま生きていたら、俺はどのような人生を歩んでいたのだろうか?


 将来なりたいものは自分にはなかった。

 多くの人と同じようになんとなくで決めた大学に通い、普通のサラリーマンになって一生を過ごしていたのだろうか?


 「想像できないな…」


 しかし、異世界に行って人生について考えさせられることになった。

 このまま、両親と共にこの田舎で一生を暮すのか?

 小説のように元の世界の知識を使って、技術発展させていくのか?

 はたまた、出世を狙って兵士や騎士を目指すのか?


 あまりイメージのわかない中で小説などの異世界転生ものを考えながら、参考にしていった。


 技術発展をしていくのか?それは無理だろう。知識として知っているのと実践することは大きく違ってきている。専門書やネットなんかがない中でにわか知識で成功するのは小説の中だけの話だろう。

 なら、騎士になって出世していくのか?それも厳しいだろう。自分には戦闘経験がないのはもちろん元の世界でのスポーツ経験もなく、体力は人並み以下を自負している。


 まとまらない。


 将来を考えるという4歳の子供としては難しいことを考えてしまい、迷走を始めてしまった。


 「できれば俺と同じ高等部に上がって魔術の深淵を除くことができればと思う」

 

 師匠のなんてことない言葉が心に残っていた。


 魔術の深淵。


 前の世界ではなかった魔法という系統はやはり自分の中に深い感動を与えていた。前世でも理科の授業を受けた時に化学反応を見ていたら、まるで魔法のようであり感動したのを覚えている。


 先のことを考えていたはずなのにいつの間にか魔法について考えていた。


 「やっぱり魔法が好きなのかな。」


 未来のことを考えるよりも現在(いま)を考えることが一番いい。


 「俺の目標はやっぱり魔法を自由自在に使えるようになりたい。やっぱりそのためには学校に行きたいな。」


 未来について考えることよりも現在(いま)を優先して、学校に行こうということを決心した。

 

 

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