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ファンタジーにおける科学論  作者: 犬養 黎也
第一章 村での生活
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 師匠から講義を受け始めて、1週間が経過した。


 俺もティンも成長してきたのか、講義の中で魔力切れを起こして倒れることが少なくなっていった。


 師匠もそのことに驚きながら成長を喜んでくれた。


 「さて、次は火について教えていこう。」


 火、それは俺が初めて使うことができた魔法である。


 「まぁ、言っても理論ではなく体感で教えていくんだけどな。」


 そう言いながら竈の中から魔法で炎を取り出していった。


 「さて、このように火を取り出してみたが、これはどのようなイメージで行っているだろうか?ティン、答えられるか?」


 そういって、ティンに問題を出していった。


 「やっぱり、火をつかんで持ち上げているのかな?」


 ティンは水の時と同様のイメージを応えていった。


 「火はそれではそのイメージではいけないんだ。そうするとすぐに消えてしまうからね。次はレヴァン、答えてみるか?」


 「これは可燃物を魔力で作り出しているんですよね。火に必要なものは空気と可燃物、そして温度が必要になってくる。この場合足りないのは可燃物なのでそれを魔力で作り出せばいいんですよね。」


 火の原理から前にイメージしたことを素直に話していった。


 「可燃物?もう少し詳しく説明しなさい。」


 説明方法が悪かったのか、師匠は詳しい説明を求めていった。


 「火が点火するには、可燃物、空気のような酸化剤、それらの混合物が引火点を越えるための熱が必要で、酸素と可燃物を連続的に供給し続ければ炎を保ち続けることができます。今回は空気が十分にありますので可燃物、つまり燃えるものを供給しなければなりません。木くずでもいいですがこの場合、空気中に出すには燃えやすい空気、可燃性のガスを発生させているのでしょう。」


 自分の答えを堂々と宣言して見せる。

 しかし、師匠はその言葉に声をなくしていた。

 

 「やっぱり、お前はすごいな。」


 俺の答えには正解や間違いという言葉ではなく賞賛の言葉が返ってきた。

 

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