現実 その4
投稿9回目になります(*^x^)b修正及び加筆完了です(*^x^)ゝ
庭園にある噴水前で私に背を向けて立っているライオネルさんと彼の目の前に立つ藤岡教授の姿はまさにあの夢の光景と酷似していて私はその場で立ち止まったまま動けなくなってしまいました。
あの時感じた恐怖と悲しみを思い出しかけた私は藤岡教授の表情を見て安堵する。底冷えするような眼差しの無表情ではなくて普段の気さくな表情で笑ってるそのお顔は間違いなく藤岡教授です。
ドキドキする心音を宥めるように胸に手を当てて目を閉じるとすぅっと深呼吸をして落ち着くのを待ちました。
ぱっちりと目を開けると私の目の前には藤岡教授のお顔。
「!?」
いきなり目の前に藤岡教授のお顔があることに驚きすぎて仰け反った拍子に私はぺたんっと後ろに倒れ込んでお尻を強かに打ってしまう・・・痛い。
「渚さん大丈夫ですか?」
痛みに顔を顰めて涙目になる私を心配そうに見つめるライオネルさんもすぐ近くに居ることに気付く。倒れた私の隣に膝を付いて自然に右手を握って私を見下ろしてる。
「あっ・・・その・・・龍堂君・・・驚かせてすまなかった・・・大丈夫か?」
藤岡教授の焦った声に私はライオネルさんから驚かせて倒した張本人に視線を向けた。彼は申し訳なさそうにお顔を歪めて私の左手を取って立たせてくれました。
まだ少しお尻が痛むけど、それよりもこの状況は些かまずいのではと思った。私の右手を握るライオネルさんと左手を握る藤岡教授の姿を目撃されたら要らぬ噂が学内に広まってしまうかもしれない。留学してきたばかりとはいえ金髪セミロングの黄金色の瞳をした優しげなイケメンさんと漆黒の短髪で同色の切れ長の瞳の爽やかなイケメンさんの二人に手を握られたなどと噂になったらどうすればいいのかわからなくなる。
「あ、あの・・・わ、わ、私は大丈夫で・・ですから・・・その・・あの・・・て、手を離し・・・てくださいぃ~」
改めて二人がイケメンさんだと意識してしまいお顔に恥ずかしさで熱が集まるのを感じた。痛みとは違う涙も浮かんでしどろもどろに手を離してもらえるようにお願いしました。最後は涙声になったのは仕方ないじゃないですか・・・とっても恥ずかしかったのです。
「す、すみません」
「わ、悪かった」
二人は涙目でお願いする私にぎょっとして慌てて握っていた手を離してくれました。私はすぐさま二人から離れて背を向けるとドキドキしてる心音を宥める。背中に私を心配する二人の視線を感じるけどいまは落ち着くことに専念します。
落ち着いたことで周りをきょろきょろ見渡して私達以外には人影がないことを確認してほっとしました。
「えっと・・・お騒がせしてすみませんでした」
私を心配そうに見つめる二人に振り返って頭を下げて謝りました。
「・・・いや、元はと言えば俺が龍堂君を驚かせたのが原因だからな・・・こっちこそすまなかった」
確かに、藤岡教授が驚かさなければこんな状況にはならなかったのかもしれませんね。すぐに頭を下げて謝ってくれたので気にしてませんけど。
「渚さん、怪我はありませんか?」
ライオネルさんは私がお顔を顰めて涙目になってたことに気付いてたので心配そうに聞いてくる・・・あの・・・お顔が近いです。
「はい、大丈夫・・・っです」
痛みは引いたので大丈夫だと頷くとライオネルさんが安堵の笑みを浮かべる。間近で向けられるその笑みにまたお顔に熱が集まるのを感じて俯いてしまう。
そこでふと疑問が浮かんだ。私は夢の中でシャインさんとアンダーさんが兄弟であることを知ってるから違和感を感じなかったのかもしれないけど、ここは現実です。藤岡教授は笑って親しげにお話してましたけど最近、留学してきたライオネルさんは心理学の講義を受けてる姿は見たことありません。どこで知り合ったのでしょう?
「あの・・・ところでお二人はお知り合いなのですか?」
私は顔を上げると首を傾げて疑問に思ったことを素直に聞くことにしました。・・・だって、考えてもわからないでしょう?
渚ちゃんは徐々に違うと言うことを認識出来て普通に接することが出来るようになりました♪(*^x^*)両手に花の状態はああなりますよね?(´・x・`)