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第七章 春夏秋冬
~春~
春になった。
僕は地元で家の農家を継いだよ。
田舎での仕事はやっぱりいいね。
この桜を見るたびに君を思い出す。
君と初めて同じクラスになったあの日
頭にのった花びらを取ってくれたあの日・・・
全ての日が桜に負けないぐらい
毎日が本当に
美しかったよ。
~夏~
夏になった。
今年もきっと祭りが行われる。
花火もあがる。
僕は後悔してるんだ。
君を花火に誘えなかったあの日・・・
一人で見る花火は音しか聞こえなかった。
もし君と一緒に花火が見られたなら
僕の心臓の鼓動は
きっとあの音よりも高鳴ってたよ。
~秋~
秋になった。
ひぐらしの声が聞こえる。
夏が終わった声が。
君がひぐらしを見たいって言うから
僕が探しにいったけど
結局見つからなかったね。
君が泣きそうな顔をしたから
僕がひぐらしのマネをしたら
君は笑ってくれたね。
~冬~
冬がやってきた。
今年も雪が降り積もる。
都会とは違う雪が。
僕は田舎モノだ。
でもねクリスマスは好きなんだ。
今日も家族とパーティ。
でも家族とじゃなくてね
君とクリスマスを過ごせたら
どれだけ幸せかは想像できないな。