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第五章 青天白日
~青~
青い空。
でもこの都会だとよく見えない。
建物が立ち並んでよく見えない。
田舎の空は違う。
広くて蒼くて
見ているだけで吸い込まれそう。
この都会の空は
暗くて狭い。
僕が逆に吸い込めそうなぐらいだ。
~天~
天の川が見える季節。
でも都会は明るくて
星が全然見えない。
田舎の星は美しい。
朝まで見てても飽きないぐらい
それぐらい美しい。
でもきっと都会には
もっと楽しいことが沢山あって
君もそっちのほうが楽しいのかな。
~白~
白く舞い落ちる雪。
都会で積もることがない雪は
かまくらを作る場所もない。
それでも雪が降り続けることで
人々は騒ぎ
満足しているみたい。
田舎では歩けないぐらいの雪が
毎年降って積もるってこと
きっとこの人たちは知らない。
~日~
日が今日もまた沈む。
君を見つけられることはなく
アテなくブラブラするのも飽きた。
君はきっとこの都会のどこかで
幸せに生きてるはずだ。
そう信じてもう帰ろう。
もしこの電車の横に君がいたら
君が座っていたらきっと僕は
他に何もいらない。