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第二章 喜怒哀楽
~喜~
喜ぶ君の顔が見たくて
僕は花を摘んだね。
そして君にプレゼントした。
君は照れくさそうに
僕にありがとうって
そう言ったね。
ただのたんぽぽなのに
それでも君は
心から喜んでくれたね。
~怒~
怒る君の顔が見たくなくて
争いごとになった時は
いつも先に僕が謝ったね。
絶対に君が悪い時でも
僕が謝ったよね。
でも本当に
君の怒る顔は見たくなかった。
二番目に見たくなかったんだ。
~哀~
哀しい君の顔が見たくなくて
泣いている君の顔が見たくなくて
僕は常に明るく振舞ったよね。
でも君はいつも僕に
私の気持ちなんか分からないって
怒ったよね。
でもまだ怒ったほうがマシなんだ。
僕が一番嫌いなのは
君の哀しい顔だから。
~楽~
楽しそうな君の顔。
うれしそうな君の顔。
そんな君の顔が好きだった。
だからもう少し近くで
もう一歩前で
君と向き合いたかった。
僕はそればかりを望んでいた。
君は同じことを
望んでなかったのかな。