第6話 闇魔法!?
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(いや~……楽しんだ!)
陸斗は孵化してからの一日間、ひとしきり飛行を楽しんだ。
前世では到底出来ない体験は、思いの外時間を多く使ってしまった。
そして、一日中飛び回った後、神にとある事を言われた。
『あ、今気付いたんですけど、所持スキルの確認法を教えるのを忘れてました』
『……はい? それって、結構重大な事じゃないですか?』
『……訊かない方が悪いと思うんですよね』
『その言い訳は無理があると思うんです……』
そんなこんなで、今まで一度も教えられなかった、所持スキルの確認法について教えてもらった。
方法は至極簡単だった。
ただ単に、目を閉じて心の中で『スキルリスト』と呟くだけ。何か特別な物品も場所も必要無い。
(……『スキルリスト』)
教えられたらやりたくなる。
という事で、陸斗はすぐに所持スキルを確認した。
(へ~……こんな感じなのか)
陸斗が想像していたものは、視界に文字が現れる感じだったのだが、実際は脳裏に情報が来る様な感じだった。
その情報曰く、陸斗は『炎纏い』の他に二つのスキルを所持していた。
(『飛行』と『念話』……『闇魔法』?)
前者二つは分かる。陸斗は一日中飛び回って、なんなら回転や地面スレスレの飛行など様々な飛び方を研究していたので、『飛行』を習得したのも分かるし、今世は毎日神と念話で話していたので、そちらも納得出来る。
しかし、後者は一体。
『あの……この、『闇魔法』っていうスキルは何なんですか?』
『ああ……それは文字通り、魔法を扱える様になるスキルですよ。魔法のスキルは基本的には先天性のものなので、属性の変更などは不可ですよ』
『なるほど、先天性のものなんですね。だから何もしていないのに持っていると』
ならば納得出来た。
納得したら次は、使いたくなる。
何せ魔法。
前世では不可能だった事は、飛行しかりやりたくなるものである。
……しかし。
『……これ、どうやって使うんです?』
『炎纏い』に関しては、半分本能で使う事が出来た。
しかし、魔法となると、よく分からない部分が大きい。手探りで使うのは時間が掛かりそうなので、手っ取り早く使う為に質問する事にした。
『魔法はですね、魔物であるドラゴンであれば、イメージで使えますよ。ヒトやエルフなどであれば詠唱が必要ですが、ドラゴンならば不必要です。イメージを固める、その一点が魔法を使うコツです』
『イメージを、固める……』
イメージ。
……闇のイメージとは?
火や水であれば、イメージしやすいだろう。火ならば燃焼、水ならば水流など。
しかし、闇とは?
闇という単語自体の持つ意味は、真っ暗とかそういった意味だ。
真っ暗な魔法……陸斗には、全くイメージ出来なかった。
『……仕方無いですね。特別に、闇の司るものの例を教えてあげましょう』
陸斗が困っているのを見かねたのか、神が助け舟を出してくれた。
『闇が司るものは、衰弱、呪詛、幻影、などですね。他にもありますが、よく魔法として扱われるのはこれらです』
『衰弱、呪詛、幻影……なるほど?』
『あとは、純粋に闇自体を凝縮して、整形して扱う事も出来ます』
『……なるほど?』
衰弱はまあ、字面から理解出来る。
呪詛……なんとなくだが、イメージはつく。
幻影もまあ、理解出来る範疇。
しかし……闇を凝縮すると言われても、あまりピンとこない。
(……分からなかったら、取り敢えず実践)
今の時間帯は昼なので、暗闇は木陰ぐらいしかない。
なので陸斗は木陰を見詰め、その闇が広がっていく様な光景を想像した。
すると――ゆっくりと、影がその大きさを増していった。
(あれ……これじゃあ、影を動かしただけか? いや、『だけ』じゃないな……影を動かすって、工夫すればかなり使えるんじゃないか?)
具体的な実用例はあまり思い付かないが、闇を凝縮するという離れ業が可能なら、同じ様に影も凝縮出来るのではないか?
そう考えた陸斗は、闇の操作では無く影の操作に移行した。
(影を……そうだな、影が立体的になる光景をイメージしよう。変に形をイメージするよりも、そっちの方が簡単そうだな)
立体的な影。
魔法でしか有り得ない、それを具現化させる。
陸斗は集中した。
深呼吸を何度も繰り返し、頭の中を影一色にする。
立体的な影。
それ以外の事は考えない。形も大きさも、何一つ。
『……集中していますねぇ』
そんな神の一言も聞こえないぐらい、陸斗は集中していた。
明鏡止水とも例えられるぐらいの集中。
やがて、ぐにゃりと影が形を歪めた。
影は外側から何かを包むかの様にして、直方体を作り出した。
「……はぁ、はぁ……」
思わず息を吐いて、漏れ出た音が前世と違い獣らしい音である事に驚く。
驚いて、意識が乱れた結果、影は形を崩し、元の自然な形状に戻ってしまった。
(……失敗、か)
一時は成功したが、ほんの少し集中が乱れただけで形は崩れてしまった。吹けば飛ぶレベルのものでは、決して実用的とは言えない。
まだまだ、研鑽しなければならない。
『その調子ですよー。私は時間なのでこれ以上アドバイスは出来ませんが、頑張って下さい』
その言葉も聞こえない程に、陸斗は再び集中し始めていた。
『…………』
神は全くの反応が無い事に少し何とも言えない感情を感じて、陸斗との会話を切った。
そしてここから、陸斗はひたすら魔法を練習し続ける事となった。
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