第十話 - 夢を見る薬の時間
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|夢を見る薬|
夢を見る。正確には、夢でそのシナリオの主人公になれる薬。
色々と人気であったが、依存性が高く、現実との陰陽の差からのめり込んでしまう人が爆増したため現在は免許制となっている。
裏社会では通貨としても使われるとか...
...僕は今、猛烈に感度している。
先生からもらった薬...夢を見れるらしい。
ー☆数分前
リツェル「...っと、これでよし。...ん?」
何か得体の知れない袋を手に取る。文字が掠れてすぐには読み取れない
リツェル「...夢...見...薬...?」
かろうじて読み取る。しかし合っているかはわからない。だが、捨てるのは勿体無い程度の量は入っている。
リツェル「...そうだ!助手君にあげたら効果あるかわかるじゃない!」
簡単にいうと屑であろう。彼女はこういうことに関しては頭がよく回るのだ。チビのくせに。
思い立ったらすぐ行動。早速向かう。
リツェル「じょっしゅくーん?いっつも頑張ってくれてるからご褒美〜!」
アーノルド「...何が目的ですか?」
リツェル「目的!?目的...労うためよ!助手君、いっつも頑張ってるから...」
アーノルド「...。」
怪しむようにジッと見つめる。彼の黒目がまつ毛と同化したように思うほどに。
リツェル「...兎に角っ!これ!これを飲んで寝ればいい夢が見れるから!」
アーノルド「っ!?」
最近、少しづつ、本当に少しづつ睡眠環境が改善されていっている彼。睡眠の気持ちよさに目覚めた今、この薬何よりも、金よりも価値のあるものだろう。
アーノルド「...ください!」
その言葉が来ることを待っていたかのように、少し食い気味で言う
リツェル「はいどうぞ!」
そうすると、リツェルはそそくさと去っていった。
...僕は、この薬を持ち、ベッドを目の前にしている。
アーノルド「あぁ...これが幸せか...!」
もはや感覚は死んだと言っても過言ではないだろう。幸せが幸せと思えないのが幸せ、この言葉を顕著に表した状態だ。
薬を飲み、ベッドに倒れる。すぐさま眠りにつく。
...夢の中。花畑が広がるわけでも、暖かい風呂に浸かれるわけでも、目の前に美味しそうな料理が描かれるわけでもない。虚無。唯々黒一色の、一寸先も見えないような空間。
アーノルド(...?)
寝ていると言う感覚はない。しかし、現実ではあり得ない。目を閉じている状態ともまた違う。
アーノルド(夢...これがいい夢...?)
確かにあの薬は良い夢を見れる薬であった。しかし、数十年も経ったソレは完全に中のシナリオが溶け出ていた。
不運なことに、この夢は起きるまで変わることはない。その上、安眠効果も付与されている。
この虚空の中で8時間過ごす。することはない。動いても動いている感覚のみ。目を瞑っても瞑る前と変わったかわからない。瞑ったかすらわからない。生きているのかも不明。唯々、意識が何もない空間を映す。それだけの時間だ。
アーノルド(...そうだ!ここで寝れば...!)
もし可能であれば、それが最善であっただろう。しかし、夢で寝ることは可能で合ってもこの夢では寝ることはできない。第一、寝れたとて同じ夢を見るのは変わらない。
いくら待っただろう。時を感じることすら叶わない。この時ばかりは睡眠を嫌いになりそうであった。
...ようやく、朝が来た。目覚める。妙に目覚めは良く、体は休まっている。
アーノルド「...やっと...終わった...」
...心は全く休まっていない。寧ろ、疲れが溜まっているようだった。
いつもの彼なら、リツェルに文句を言っていただろう。しかし、今の彼は何もしなかった。
今度こそ夢を見よう。そう思って目を瞑っても眠れるような気配はない。
...続く。
先週はすみませんでした。手がバカみたいに冷たくて死ぬかと思いました。
こう言う薬があったらいいですねぇ。勿論新品で。そしたら夢の中だけでもケモノやメカクレに会えるんじゃないでしょうか。
閲覧していただけるだけでも本当に嬉しいので、これからもよろしくお願いします!それではまた!ふにゃラ〜でした!




