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おっさんが雑魚キャラに転生するも、いっぱしを目指す。  作者: 愛自 好吾(旧月見ひろっさん)


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第21話 レベルアップとあつ~いお茶と

地獄のような訓練の日々を乗り越え、遂に訓練兵卒業を果たしたジャズ。待っていたのは五日間の休暇。

さて、ジャズはまったりと休暇を過ごせるのでしょうか?




 今日から軍での生活も一旦お休み、五日間の休暇だ。


 取り敢えず、まずは腹が減ったので、クラッチの町中にある食事処へと足を運ぶ。


 女将さんに報告がてら、手料理を食いにいこう。


 食事処へと到着して、引き戸を開ける。


 「いらっしゃいませ~」という女将さんの声を聞き、何故だかほっとする。


 今はお昼時よりかは少し時間がずれているので、客足は疎らだ。


 カウンター席へと向かい、椅子に腰掛けながら女将さんに挨拶した。


 「こんちは~、久しぶりですね女将さん。また来ましたよ。」


 女将さんは相変わらず忙しそうにし、他のお客さんに対応しながら俺の方を向き接客してくれた。


 「おや? あんたまた来たのかい、随分久しぶりだねえ、ん? あんた、暫く見ないうちに随分逞しくなった様に見えるけど? そういやあ軍に入ったって言っていたねえ、鍛えられたのかい? 軍隊での仕事はうまくやっているのかい?」


 「ああ、訓練期間も終了して、今は休暇中だよ。また女将さんの手料理が食いたくなってね、取り敢ずスローターフィッシュの煮付けを頂戴。」


 「煮付けだけでいいのかい? あんたまだ若いんだ、沢山食べていきな。定食もあるよ、ご飯と大根の煮物、食後にお茶が付くよ。どうだい?」


 「あ、そうなの? じゃあスローターフィッシュの定食を頂戴。」


 「あいよ、銅貨二枚だよ。」


 ポケットから銅貨二枚を取り出し、女将さんに渡す。


 「ちょっと待ってなよ」と女将さんが言い、料理を始める。


 料理が出来上がるまで、お水をちびちびと飲みながら待つ。


 料理が出来上がるまでの間、そういえば経験点が溜まっていたなと思い出す。


 メニューコマンドを操作してレベルを上げようと思った。まずは今の経験点を確認だ。


 どれどれ、おお、1250点もあるぞ、二つレベルが上がりそうだな。


 よし、まずはレベルアップからだ。


 よしよし、レベル2から3へ上げるのに550点使った。


 レベル1から2に上げるのに500点だったという事は、レベルを1つ上げるのに50点づつ増えていく感じか。


 もう一つ上げられるかな? お! 上がった。レベル4まで上がった、残りの経験点は100点だ。


 よしよし、レベル4まで上がったぞ、まずはこんなところか。


 ふーむ、レベル4か、惜しいな。


 あともう一つレベルが上がれば、レベル5になって専門職にクラスチェンジできるのにな。


 重戦士とか侍とか忍者とかに、………あと一つか。


 ………待てよ! あるじゃないか! レベルを一つ上げるアイテムが。


 確か隠しショップに売られていた筈だ。


 ………あった! レベルアップル。ショップポイント50で買える。


 うーん、どうしよかな、いいや。買ってしまえ。


 (よし! アイテムボックスにレベルアップルが一つ入っている。早速取り出して食べよう。)


 周りに誰も自分を見ていない事を確認し、虚空からレベルアップルを取り出し急いで食べる。


 味はしなかったがこれでレベルが一つ上昇した筈だ。


 ………よしよし、レベル5になってる。ヒットポイントも15に増えている。


 お次はクラスチェンジだ。


 早速メニューコマンドを操作し、クラスチェンジの項目を確認する。


 おお! やったぞ! 幾つかの職業に転職できるようになっている。


 最初は戦士しか転職できなかったから、取り敢ず戦士にクラスチェンジしたのだが。


 レベルも5になり、いよいよこなれて来たという事だな。


 で、専門職へとクラスチェンジする時がきたのかもしれない。


 基本職の戦士や魔法使い、盗賊といった職業は早い段階でなれる職業だ。


 だが、基本職の能力値の成長率は低い。


 専門職にクラスチェンジできるのならば、早いとこしておいた方がいい。


 うーむ、しかし迷うな。専門職といっても色々あるからな。


 今自分が転職できるのは、重戦士、侍、軽戦士、忍者、盗賊、といったところだ。


 うーむ、どうしよう。迷うな~。


 ここで方向性をある程度決めて転職した方が、今後の為になるのは解ってはいるのだが。


 (そうだ! どうせならなりたい自分を想像しよう。俺は日本人だからここはやはり、侍か忍者だよね、忍者か、忍者はいいかもしれない。忍者いいな。忍者かっこいい。よし! 俺は忍者に転職しよう。そうと決まれば早速。)


 メニューコマンドのクラスチェンジを使って忍者へと転職する。


 決定を選択したら、自分の体が一瞬光り輝いた。


 「おや? あんた、今一瞬光らなかったかい?」


 「気のせいですよ、女将さん。」


 (危ない危ない、人の居る所でメニューコマンドの操作はあまりしない方がいいな。こりゃあ。)


 ステータスを確認する、よしよし、ちゃんと忍者にクラスチェンジできている。


 これでレベルアップ時の能力値の成長率は大幅に上がった筈だ。お次はスキルだな。


 レベルアップボーナスで、スキルポイントも増えて、今では15ポイントもスキルポイントがある。


 何かスキルを習得しよう。何がいいかな? 


 取り敢えず5ポイント消費して「ストレングス」のスキルレベルを5まで上げるか。


 これでストレングスのスキルレベルは上限の5になった。


 これ以上スキルレベルは上がらない筈だ。この辺はゲーム「ラングサーガ」と同じだな。


 後は、そうだな、忍者なんだから手裏剣やクナイを投げる「投擲」のスキルは必要だな。


 投擲スキルは投擲武器に限って威力と命中率が大幅に上昇するスキルだ。


 後は敏捷に影響する「スピード」のスキルを取ろう。


 これで残りのスキルポイントは8ポイント。


 後はそうだな、「剣術」のスキルをレベル2まで取ろう。


 これで残り5ポイント、他には、体力の能力値に影響する「タフネス」のスキルレベルを2まで上げるか。


 残りのポイントは3、これは今後、いざって時の為に取って置こうかな。


 うむ、スキルはこんなもんか。


 あ! そうだ! 折角だから隠しショップに売られている能力値上昇系アイテムを購入しよう。


 確か一つ10ポイントで買える筈だよな。


 筋力が上がる「力のワイン」。


 体力が上がる「元気のパン」。


 敏捷が上がる「はやてのチキン」など、どれもショップポイント10ポイントで買える。


 ショップコマンドを使い、各能力値上昇系アイテムを購入した。


 全部で6種類、各一つずつ。これでショップポイント60ポイント消費した。


 中々のお高い買い物であったが、これで能力値が底上げされるならば安いものだ。


 因みにこれらのアイテムを購入したら、「売り切れ」と表示された。


 どうやら能力値上昇系アイテムは、一つずつしか買えないらしい。


 こんなもんかな、ちょっとステータスを確認してみよう。


 ジャズ LV5 HP15

 職業 忍者

 クラス 下忍


 筋力 24  体力 19  敏捷 18

 器用 15  魔力 4   幸運 15


 ユニークスキル

 ・メニューコマンド

 ・精神コマンド 3/3


 スキル

 ・ストレングスLV5 (フルパワーコンタクト使用可)

 ・タフネスLV2

 ・スピードLV1

 ・投擲

 ・剣術LV2


 経験点100点  ショップポイント 1072P  スキルポイント 3P  


 武器熟練度 小剣 10  剣 20  槍 20


 こんな感じだ、うーむ、まずまずといった所か、いや、まだまだだな。


 しかしレベル5ともなるといよいよらしくなってきた。


 各能力値も訓練のお陰か、少しだけ上昇していた。


 やはり体を鍛えるというのは大事なのだなと思う。


 特に自分は今、兵士としてやっている訳だし、多少強くなっていかないと、これから先はやっていけないと思う。


 あ! フルパワーコンタクトが使用可能になってる。


 そうか、ストレングスレベル5になったから使える様になったのか。


 こいつはアクティブスキルで、使用すると一定時間攻撃力が1.5倍になるんだったな。


 よし! こんなものだな。レベルアップも済んだ事だし、取り敢ずはこれで良しとしとこう。


 レベル上げも終わり、まったりしていると、丁度その時、女将さんが料理を運んできてくれた。


 「はいよ、スローターフィッシュ定食お待ち、慌てないでゆっくり食べな。」


 「おお! こりゃ旨そうだ。頂きます。」


 テーブルカウンターに料理が運ばれた。これは旨そうだ。


 まずはお水を一口飲んで、早速大根の煮物から、………うん、旨い。


 あったかくていい出汁が利いてる。


 素朴な味って感じだが、自分はこういう味は嫌いではない。寧ろ好きだ。


 冬はやっぱり根菜だよね。


 お次はご飯を食べる。うん、いける。ふっくら炊きたてのご飯だ。


 やっぱり日本人なら米だよ米。旨いなあ。


 さあ、いよいよお気に入り。スローターフィッシュの煮付けだ。


 フォークを使って口に運ぶ。咀嚼し、ゆっくり味わう。


 うんうん、これこれ、この魚料理を食ってるって感じが堪らん。


 定食もあっという間に完食し、食後のあつ~いお茶を啜りながらまったりと過ごす。


 ふう~~、お腹いっぱいだ。


 「ご馳走様でした。」


 両手を合わせ、食事を終了する。


 さて、これからどうしようかな。折角の休日だ、休みを満喫しよう。


 あつ~いお茶を啜りながら、この五日間の休暇をどう過ごそうかとニヤニヤしながら考えるのだった。



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