満月の魔法
満月の光に照らされ眠った
満月の光に照らされて、シロナガスクジラの背が白く透き通る、
目の前、白蛇龍の鱗に見惚れてしまうほどの、雲海
あなたに綺麗だったと伝えた
漫画にっぽんむかし話みたいな龍だと伝えた
満月の光に照らされ眠った
むかしの夢をわざと語るあなたの素振りが
仕事帰りの川辺りで、ふと思いだしたら、知らず知らずに一瞬だけ笑えていた
階段を駆け降りて、
わたしはあやされたように笑っていた
まるで、あなたの魔法だね
心が川面に揺れる どんぶらこ、と、たゆとう流れに揺れる
春告魚の跳ねる音と
時計台の鐘の音が川の流れに混ざってゆく
西へと流れる川面の光が鴨たちとともに煌めいている
あなたと巡ってきた季節がキラキラリ
リュックのサイドポケットから
空っぽの魔法瓶が階段をゆっくりと転がり落ちる、
カラカラカラカラと
冬の間は白湯にローズマリーを入れていたんだ
、そんな話しもした
川の水で魔法瓶の中身を、あらってみる
高く放り投げてキャッチする
もうすぐカラカラと氷を入れる季節がやって来るね
のどか乾くくらい沢山縄跳びをする夢をみたいね
銀河の畔で、満月の光の中で