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9.麗良、街歩きリベンジに挑む?

読んでくださりありがとうございます!


今回クリスティーナ・ブロワ伯爵令嬢が経営するお店、

ウェンティーナが出てきます。



◯クリスティーナ・ブロワ伯爵令嬢 16(前作主人公)

◯フェルベール・ヴェントラー公爵令息 17(断罪者)


●レイラ・クロシタン子爵令嬢 17(中身は麗良)

●キリアン・ベイズ子爵令息 17(レイラの元婚約者)

△マルコム(前作登場断罪された側・キリアンの友人)


◯と●の面識はありませんが、マルコムはクリスティーナの幼馴染で婚約を控えてましたが…なんやかんやあって断罪され、只今汗水垂らして働いております。


断罪パーティ→夏期休暇→今現在(漠然に秋ぐらい)


と、簡単に説明させていただきました。


それでは本編をお楽しみください( ˙꒳˙ )ノ



 ー ◯月◯日 晴れ ー


今日はすごい一日だった…。


ウィルト・ラムゼイ様と知り合う事が出来た。

同志…読書仲間が出来たと勝手に思ってる。

来週また図書館で会えたら声を掛けてみる?

でも馴れ馴れしいと思われるのは…嫌。

でもでも挨拶ぐらいいいわよね!大丈夫なはず。

共通の趣味を持つ友達になって欲しい。


明日の街歩き心得!重い物は最後に買う!


①手芸店→薄茶と緑と黒の刺繍糸

②ブロワ様のお店に行く→ラファール産の紅茶と小物

③屋台で甘い物か串物を食べる

④パン屋かカフェでお土産を買う


やっぱり、女の子の友達も作りたい…。頑張る!




(やっぱりこういう街歩きも友達とだったら…楽しさも倍増なのだろうけど…急には無理よね、とりあえず明日を楽しむ事と、来週になったらラムゼイ様に話しかけてみて、って図書館でしかお会いしないから…出来てもせいぜい挨拶ぐらいね…)



彼の笑顔を思い出しては、ソワソワドキドキしてしまうのを「これは明日が楽しみ過ぎて気持ちが落ち着かないだけよ!」とその度に自分に言い訳をしていた為…やはり眠りについたのは深夜になってからだった。




翌日、王都の広場の賑わいに眠気も吹き飛んだ麗良は、早速手芸店へと向かい目当ての刺繍糸を購入し、次なる目的地であるウェンティーナへと向かった。


(うわぁ…すごい人…さすが人気店ね。ひとまず茶葉を確保して、雑貨を…ってちょっと待ってこのお店の刺繍糸、色が凄く綺麗!

何々…ラファール国オリジナルのウェンティーナ限定色ですって!糸もこっちで買えばよかったわ…。)


麗良が自分の財布と今後の予定を考え、糸の購入を思案していると店内が騒がしくなった。

ん?とそちらに顔を向けると、見知った顔が三つ。



「ねぇ?これって何に使うのかしら?よく分からない物ばかりね!それにあまり可愛くないわ、本当にこのお店人気なの?」


「カレン様の仰る通りですね!鶏の看板なんて…意味が分かりませんわ。」


「やっぱりこの店のオーナーが、クリスティーナ・ブロワ伯爵令嬢だったっていうのは嘘で、父親のブロワ商会の店舗なのでは?」


「そうねぇ…そうとしか考えられないわ、わたくしより歳下のブロワ嬢が店の経営だなんて。実は父親の店で名前だけでしょうね、そうでなければ学生の身でこんな店を構えるだなんて…」


「カレン様?この扇子なら普段使い出来そうでは?」


「あら、いいわね。……ちょっと、そこのあなた!この棚の扇子全部包んでちょうだい!送り先を書くから今日中に届けなさい。」


「お、お客様…それは困ります。ここに書いてあります通り、こちらの商品はお一人様お一つまでとお願いしておりますので、どうかご理解くださいませ」


「は?何を言ってるの?誰にいくつ売ろうと同じでしょう?チマチマ売るより一気に売り上げも伸びるのだから、むしろ沢山買ってくれてありがとうでしょう?」


「いえ…当店は一人でも多くのお客様にご利用いただく為に、この様なお願いを…」


「ならば!そこの訳の分からない鶏だとか、その辺のガラクタよりかは売れそうなこの扇子をその分置けばいいじゃない。そうすれば沢山の扇子が沢山の客の手に渡る訳だし、お店の方針とも合致するでしょう」


「いえ…そういう事ではなく…オーナーの許可も…」



店員が、いかにもな高位貴族のご令嬢を相手に強く出れずにいると、言い返されない事をいい事にその客は更なる要求を続けた。


「アドバイスとアイデア料として、この扇子を三つ今すぐ貰っていくわね?心配しなくても残りの分の料金は屋敷の人間が払いますから先程言った様に届けてちょうだい。」


「そっその様な勝手をされると困ります!お止めください。私の一存で許される事ではございません!」


「あら、それなら大丈夫よ。ここのオーナーとは同じ学園で知り合いだから。さっお二人ともどうぞ」


そう言って自分の連れに、料金も払っていない店の商品である扇子を渡している。一人は喜び、一人は驚きつつも礼を言って受け取った。



その様子を見ていた麗良は思わず口を出してしまった。


「そこのお三方…お店の方にも、我々店内の客にも迷惑となっておりますので、今すぐその手にした扇子をお戻しになって謝罪する事をお勧めいたします」


「やだっ、レイラ様?こんな所でお会いするなんて偶然ね、お一人なの?友人でもない貴女の言う事なんて聞く必要もないのだけど…もしかして貴女も扇子が欲しいの?それでわざわざ話しかけてきたのかしら?友人でもないのに?」


クスクスと渡されたばかりの扇子で口元を隠して笑う二人と、こそこそヒソヒソと笑いながら馬鹿にした様に麗良を見る三人。


「こちらの扇子が欲しいかと聞かれたら、勿論欲しいです。でも貴女方の様に巻き上げたりはせずにきちんと代金を支払います。貴女が買い占めて商品が無いのなら入荷を待ちます。

貴女方がやっている事は、強請ゆすたかりと同じです。

カレン様?貴女が以前仰っていた貴族の責務とは?

まさか実家の爵位を笠に、無理難題を押し付け…挙句金品を巻き上げる事を仰ってはいませんよね?」


「はっ随分と強気です事、巻き上げるですって?これはねアドバイスの対価ですのよ?貴女も…こんな場所を取る看板よりも扇子とかの小物の方がいいとは思わない?」


「何を売るかはお店の方が考える事であって、貴女の仰ってる事はたとえ要望だとしても乱暴すぎます。


それにこちらのお店は、風の国ラファール産の商品を扱っているのですからこの風見鶏があっても不思議じゃありません。

貴女方はご存知ない様ですが…これで風を見るのです。あとは…カレン様といつもご一緒にいるご友人達の事を例え言う時も使いますわね。」


「わざわざ前に出て来てまでわたくし達を責めるのは、ご自分の知識をひけらかしたかったの?それともブロワ伯爵家に対して恩でも売りたいのかしら?

まさかとは思いますけど…貴女のその薄っぺらい正義感を盾にオルダー侯爵家に喧嘩を売るつもりではないわよね?クロシタン子爵家のレイラさん」


「わたくし…カレン様が仰る様な打算的で浅ましい事なんて、思い付きもしませんでした。むしろオルダー侯爵家の為と思っての事でしたのに…心外でございます。」


「あら、うちの為ですって?…フフフッ可笑しな事を。子爵家の貴女が心配する事などございませんわよ」


「そうですか…こちらの経営をクリスティーナ・ブロワ様がなさっている事はご存知ですよね?」


「ええ勿論よ!そんな事今や誰でも知っているわ」


「ではブロワ様の婚約者様が、ヴェントラー公爵家のフェルベール様という事も勿論ご存知ですわよね?そしてブロワ様がその方にとても愛されている事も。

そんな愛する方が経営するお店で、何かトラブルがあったとなれば如何なさるでしょうね?」


「貴女わざわざ告げ口する気?」


「告げ口も何も…ここにはわたくし以外、沢山の目と口がございますわ。ただ…わたくしごときが声を上げたとしても耳を貸されないどころか、それ以前にカレン様の侯爵家にペチャッと潰されてしまいますね…。

しかし、学園の相談箱ならどうでしょう…」


「な…何よそれ」


麗良の言葉に微かな動揺を見せるカレンと、成り行きを見守る周囲の客達。

あれだけ賑やかだった店内が、この一角だけ全く別の空間となり、少なからず注目を浴びてしまっていたが…麗良には撤退する気も、長い物に巻かれる気もさらさらないのであった…。


  

出来るだけ…時系列、話の進み方や登場人物の絡みなど、違和感ない様進めているつもりです。が、しかし当たり前ですが作者は前作を知っている為、その違和感にすら気付いていない所もあるかもしれません。

なので少しでも気になる所などありましたら…お手数ではございますがご連絡ください。


また今後の展開で、補足話や伏線回収が入る可能性もございますので、その旨ご理解いただけると幸いです。


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