序章
欠陥戦線。彼らはそう呼ばれていた。僕らには関係ないことだと思っていた。
だが、それはすぐに訪れてしまう。彼らは体のいずれかを失ったもの。
そして俺たちの居場所になってしまう場所の名前だ。
その日、町は戦火に焼かれた。
怒号、悲鳴、嗚咽、負の感情が町に満ちていた。
「お前ら、徹底的にやれよ!!」
隊長とみられる男が檄を飛ばす。
俺はただ、暖炉の影に隠れて震えていた。
「大丈夫、大丈夫だからね。」
俺をかばうように抱きしめる姉のヒンドラの姿があった。
「いたぞ、こっちだ!!」
暴漢が家の中まで押し入り入ってきた。
「待って、あなたたちと同じになればいいんでしょう!?」
「おう、覚悟はあるんだろうな?」
「私は左足を、この子は左目をささげるわ!!」
ヒンドラはそういうと訪朝を手に取り自らの足をナタで切りつけた。
「うが・・・ああ」
ヒンドラは呻きながら、でもしっかりと刃を自分の足に向け、左足を切り落とした。
「ほお・・いいじゃねぇか。おら、ボウズもグズグズしてると殺っちまうぞ?」
俺は何が起きたかわからず同様すると。
「彼らは欠陥戦線の人たちよ。あなたも目を失いなさい。」
そういうと姉はもがきながらキリを俺に手渡した。
俺はそれを手に取ると
自分の左目を迷いなく貫いた。
そして、俺の意識はそこで落ちて、俺たちは「欠陥戦線」に引き受けられることになる。
ここから俺たちの戦いが始まったんだ。
次回からいいよいよ本編開始です