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らくがき4 十七、ふとしたこと
若い頃ってそうだ。
会社への通勤中、通学路途中で私は車のスピードを緩める。
チャリに乗った中高生たちが、前方を次々横切っていく。
もたもたと後ろからやって来る女子高生。
私は念の為、ブレーキに足をやる。
(ほらね・・・やっぱり)
悪びれず平気な顔をして、車の目の前ギリギリを通り抜けていった。
元から車は停まるべきだと言わんばかりに・・・いや、ひょっとしたら気づいてさえいないのかもしれない。
イラッとした。
「アホやな」
と呟く。
が、私だって同じ年頃はやっていた。
きっと、我が者顔で、同じ思いをした方は同じように呟いたかもしれない。
でもなと私は思った。
(絶対なんてことはない。それが命取りになることだってある。そう、自分中心に世界は回っていないって、いつか気づくんだよ・・・出来るだけ早く気づければ、それにこしたことはない)
と、誰も見てないのに私は顔をキメた。
気付くってなかなか今だに難しい。




