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らくがき3 十二、即興拙作ショートショート
絶賛、迷走中(笑)。
私はポール=カロヤンアポジーク、自分で言うのも何だが世界でも指折りのオーケストラの指揮者だ。
伝説のマエストロ、老いて益々盛んとか、円熟味を帯び音の深みを増したなどと言われているが、そんな名声など私から沸き起こるパッションの糧にはならないのだ。
真の我が意欲そして力の源は・・・。
「伯〇塩っ!」
のワンフレーズなのである。
どう言うか、休みの日はこれを丸一日かけて想像する。
一気に強めにいくのか、余力をのこしクライマックスですべてを出すのか、それとも
MAXハイテンションでやり遂げるか。
私はタクトをふるい、イメージする。
「は・か・た・の・し・お・っ!」
「違う!」
夜中に近所の迷惑も顧みず叫んでみる。
「ふう」
部屋に重い溜息が吸い込まれる。
私はスマホをそっと取り出し、ウマ娘で一時の悦楽を享受する。
「さあ天井まで課金だ」
私はポール=カロヤンアポジーク、世間ではクラッシック界を席巻する男である。
育毛剤みたいな・・・。




