55/188
らくがき3 十、もしも夜食を中二病患者が食したなら
中二病台詞を言ってみたい。
「俺は暗雲たちこめる暗闇、リアル・ブラック・スペースを抜け。数多の艱難辛苦を乗り越えついにやって来たのだ」
ヒュノプス(眠り)の魔法が解けない内に、この難解なミッションを俺はやり遂げなければいけない。
五感を研ぎ澄ませて、俺は勝武羅亜免を手にする。
誰にも渡さない渡すものか、胸は高鳴り、鼓動と脈が波打つ。
落ち着け、落ち着け、俺っ!
今日は頑張った!地獄の免罪符を片手に俺は後戻りできない所まで来ている。
まだ、志半ばではないか、油断するなっ、お前はまだ何も成し遂げていない。
食してはじめて、勝利の凱歌をあげることができるのだ。
音を立ててはならない、我は葉隠れの忍び也、今は隠密行動中、忍忍。
「サイレント・ムービング・マジック」
俺は究極魔法を唱える。
蓋を開け、お湯を注ぐ、しばし待つ。
宝箱を開け、夢を描き、愛を語る。
間もなく、もうすぐ、世界の扉は開かれるっ!
まもなく、俺は歓喜の詩を歌うだろうっ!
「なにしてんの」(奥さん)
「ごめんなさい」(俺)
おじさん、夜食は叱られるよね~。




