らくがき2 十三、愚作組曲「おののく男の結末は」
ありがちシチュで。
「はあ、はあ、はあ」
男は走っている。だが、何に追われているか分からなかった。
ただ、全身を包み込むような恐怖感に怯え、ひたすら逃げている。
コツコツコツ。
アスファルトを蹴る靴の音が闇の世界に響き渡る。
「はあ、はあ、はあ」
息があがる、呼吸が苦しい。
だが、立ち止まったらお終いだ、男には確信がある。
背中からビリビリと突き刺すような視線、殺意に似たどす黒いなにかを第六感がそう伝えている。
カツカツカツ。
追いかける何かのスピードがあがる。
あああっ、駄目だ、駄目だ、駄目だっ!
捕まる・・・そんな男が見たものは。
※1、男は目を閉じた。背後で声がする。「あなた神を信じますか~」
※2、ガシッ、肩を掴まれる。(殺られる・・・)男はそう思った。逞しい腕は男を掴んで離さない。「君っ、いい身体しているな!自〇隊に入らないか」
※3、俺は恐ろしくてしゃがんだ。「立てっ!立てよっ!俺の限定フィギィア壊したの、お前だろっ!」
※4、「ふふふ、ついに追いつめたぞ」「果たしてそうかな、本当に追い込まれたのは自分だと気づかないとは・・・とんだお笑い草だ」「ダニィッ!」
※5、「お前は私に逆らった」「許してください」「許しをこえば、助かると思ったか、どうしてくれるんだこの損益を」「ごめんなさい」「謝る前に頭を動かせ」「ごめんなさい」「ごめんなさいで済むなら、上司はいらん!」「ごめんなさい」「働けっ、働いて、奉仕しろ、血反吐がでるまでなっ!」「あわわわわ」
※6、「はっ!ち、痴女っ!」
※7、「はっ!ストリートキングっ!」
※8、光がふいに見えた。眩いステージだ。「そうだ、俺は仲間とついにこの場所まで来たんだ!」
※9、ズ、ズ、ズ、ズ。黒い影が迫る。ほらっ、あなたの後ろにも。
※10、「おいっ!落ち着け、俺は未来から来た俺だっ!」
※11、「ラウンド1ふぁいっ!」
さぁ、あなたのお好みはどれだっ。
「カンチョー!」
ずぼっ、振り返る。
「よ、嫁ちゃーん」(笑)