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その84


「なんであんたの得意なスポーツがバスケなわけ!? 私見たわよ! ノーコンの運動音痴!」

「このバカチビ! 美子のPRに何ケチつけてんのよ! あんたは黙ってなさいよ!!」

「あんたこそ黙ってたら!? そんなに青筋立ててるとシワが増えるわよ」

「そう言うあんたは逆に脳みそのシワ足りてないようね?!」

「な、なんですってーーーッ!!」

『ほ、ほらほら〜! 2人とも顔が怖いよ笑顔笑顔、琴音ちゃんに愛菜ちゃん、お願いだからこの場で喧嘩はやめようよぉー』



出雲先輩がオロオロしている、場のみんなも唖然としていた。 カオスだ…… どうしてこうなった?



まぁ美子の自己PR、それであいつが何気なく言った得意なスポーツのせいなんだが。



どうやら美子の中では自分が運動音痴の自覚はないらしい。 前からそんな感じだったけど。



「先輩の言う通りだよ、琴音に愛菜ちゃん顔が悪いよ」

「「それを言うなら顔が怖いよでしょ!!」」

「ひえッ、ごめん」



唖然としていた会場だったが今度はクスクスと笑い声が聞こえてきた。



「なんだよあの速水って奴。 クール系で絡み辛いのかと思ったらそんなんでもねぇじゃん」

「あのちっちゃい子の性格も見た目に反してなかなかキツくないか?」

「てか七瀬って奴天然なのかなぁ?」



などなど…… 3人の掛け合いを微笑ましい感じで見ている。



「あ、あの…… 得意なのはやっぱりバレーボールにしとく」

「どっちも下手でしょうが!!」

「だからなんであんたが美子のPRにつっこんでんのよ! 黙って聞いてなさいよ!」

「あんたこそなんでそもそもミスコンなんかに出てんのよ!? そんなの興味ありませんみたいな態度しておいて!!」

「煽ったのはあんたでしょクソチビ! 今でも興味なんてないわよ、なんでウチが説教されてまで出なくちゃいけないのよバカ!!」



あー速水の奴直前で先輩にキツく言われたの根に持ってるな。



「もう喧嘩はやめようよ、ほら抑えて抑えて。 ね? 遥ちゃん」

「へ?」



いきなり美子に話を振られた遥はこの場で目立ちたくないという感じに固まる。 それよりも2年の先輩方は空気になってしまっていてなんだかいたたまれない…… 変な意味であいつら目立ってんだもん。



『まぁまぁその辺で。 えー、お見苦しいところをお見せしてしまってすみません。 只今より投票して貰いますので皆様事前に配っておいた用紙を投票箱に入れてもらってもよろしいでしょうか?』



出雲先輩は強引に切り上げた。 確かにずっとこんなんだとミスコンとしての品位を下げるかもしれないしな、もう下がってるかもしれないけど。



30分後、あらかた票を集め切り選挙委員の方々と一緒に票分けする、これはスピード勝負だ。 というかもうちょっとスムーズに票分け出来るようなシステムにしといてくれよ…… 一体何百人分だ? というよりいつ俺は動けるのだろう? と思ったが。



『えー、結果につきましては15時半に発表となりますので是非是非皆様またのお越しをお待ちしておりまーす!』



そうだった、一旦お開きだ。 これでサボりと思われているかもしれないが亮介達と合流出来る!



客やその他生徒達が体育館から出て行くと俺もようやく解放された。



「ふうー、暑かったなぁ」

「キモ。 独り言?」

「うわッ! なんでお前がそこに……」



俺のすぐ後ろに居たのは杏樹だった。 



「後から行くって言ってたでしょ。 ていうか何? 美子ってあんなキモオタ君達からしか人気ないわけ? あんたも負けず劣らずのキモさだったけど」



こ、こいつ…… あーでもこいつはこんな奴だったな。



「でも美子の事が気になってしっかり見てたんだな」

「はあ!? 私あの子に服貸してあげてるのよ!! このままこの美子臭いジャージ着て帰れっていうの!!?」

「ん〜、何が美子臭いジャージだって?」

「げッ!」

「木村……」



そこには指をパキパキと鳴らしている木村の姿が。 あ、そういや木村は本当は杏樹が美子と仲直りしたいの知らないんだった。



「さっきは急いでたから他の事はスルーしてたけどちゃんとけじめはつけないとねぇ? 杏樹ちゃん」

「な、ななな……」



そろ〜ッと後退りする杏樹の腕を掴んで木村は杏樹を人が少なそうな場所へ引っ張っていく。



「ちょ、ちょっと!! 私の服貸してあげたのでチャラじゃないの!?」

「いやー、それでチャラになると思ってた?」

「うぐぐッ…… ねえ!」



杏樹が助けを求めるように俺に縋り付こうとしたが木村はグイッと腕を引っ張り制止する。



「いたたたッ! この暴力お……」

「あん?」



木村のメンチに杏樹はビビッたのかそれ以上は言えなかったようだ。 さっきも思ったけど怖いぞ木村……



けどまぁ、これ以上杏樹をとっちめるのは美子だったら嫌かもしれない、止めてやるか。



杏樹は自分の本心を説明されるのがとても嫌そうだったが杏樹の事を木村に話した。



「ほーん、そうだったの。 そんな事だろうと思ったけど」

「は?」

「だってわざわざ美子の学校まで来てるんだよ? それも1人で。 あははッ!」

「わ、わかってるのにわざと脅してたわけ!?」

「当たり前じゃーん! ちょっと拗らせてるんだよね? ぷぷッ」

「くそマジむかつく! 性悪お……」

「あ?」



再度木村が杏樹を睨み付ける。



「…… とかなんとか〜」



あ、誤魔化した。



「ところで由比ヶ浜、こんなところでサボってていいの?」

「あ! そうだよ、こんな事してる場合じゃない!」

「でしょ? だったら行きなよ、アタシはもうちょっと杏樹ちゃんで遊んでるから」

「わ、私もこれから行くところがあって」

「ジャージでどこ行こうってのよ? それにそれは美子のジャージなんだからちゃんと返しなさいよ」

「ぐぐぐ…… 無理矢理交換させたくせに」

「杏樹ちゃん誰に入れたのー? もちろん美子よねぇ?」

「なんであんたにそんな事教えなきゃいけないのよ!」



だんだん杏樹が可哀想になってきたがもう構ってる暇ないので行く事にした。



「ちょっと! 私を置いて行くの!?」

「置いてかないよー? アタシが居るじゃん」

「ドナドナドナ……」




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