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65/95

その65


「あの…… その……」

「ええと、俺……」



互いにしどろもどろになってしまう、生まれて初めて告白された、しかも遥に。



「それで……」



それで…… 俺の返答は如何にか? ヤバい、どうしよう? 遥だし。



「おーい玄ちゃん遥ちゃーん!」



その時角から美子の声が聴こえて見ると口いっぱいにクレープを頬張らせた美子が居た。


「美子……」

「ほえ、どうしたの? 鳩が豆鉄砲食らったみたいな顔して」



こっちこそリアルでそれ言ってる奴初めて見たよ。



「ねえねえ、これ苺がいっぱい入っててすっごく美味しいの! あれ? 2人ともどうしたの?」



俺と遥の唯ならぬ雰囲気に気付いたのか!?



「こ、これはその…… あれだ! なあ遥!?」

「へ!? あ、あれだね、うん」

「んん? なんか変だよ? あ!」



美子が「あ!」と何か気付いたように言うので俺と遥はビクッとする。



「大丈夫だよ! こんなこともあろうかと! 私2人の分も買ってきてたんだよ」



うおお…… 流石美子! 食ってて胃袋が満足なのか絶妙に外してきてくれるぜ。



「はい、特盛りクレープ! 遥ちゃんも」

「た、食べれるかな……」

「大丈夫! ギブしたら食べてあげるから」



自分が頬張ってた残りのクレープを口に突っ込むとキラキラした目でそう言った。 足りないんだな……



「はい美子ちゃん」

「え!? いいの?」



遥は半分食べたとこで美子にクレープを渡した。 人に渡した物を再び貰うとは…… こいつは自分の食欲を考えて自分は予め2つ食っといた方がいいのでは?



「いやー、こうならないように私2つ買って食べてたのに甘い物は別腹なのかなぁ? まぁ所謂隙を生じぬ二段構え!」



あ、ごめん。 そうしてたのか、ドヤ顔で言ってるが三段構えくらいにしとくべきだったな、普通に呆れるわ。



「美子! 呼びに行ったと思ったらなんでそこで食べてるのよ!? 来ないと思ったらこれだもん」



速水が俺達の様子を見にきたようだ。



「あ、ごめーん!! ついうっかり」

「別にみんなクレープ買い始めたからいいけどさ。 ん?」

「ん? 琴音どうしたの?」

「ああ、いえ、なんでもないわ。 食べたならこっち来なさいよ」

「はぁーい」



速水の後について行くとクレープ屋に木村達も並んでいた。



「あんたらもう食べたから並ばなくていいわよね?」

「琴音は食べないの?」

「じゃあ美子、ウチの分買って来てくれる?」

「OK!」

「あッ! 普通サイズでお願いね?」



少し離れたところにテーブルがある席が何個かあるのでそこで座って待っていることにした。 そして何故か速水も俺と遥のテーブルへと座る。



だが…… 速水の視線が凄い、俺と遥をジロジロと見ている、まるで何かを疑ってるよう。 俺と遥を見て気付いてしまったか?



「あ、あの…… 私ちょっとトイレ」



遥はそんな視線に耐えられなくなったのかすぐそこにある薬局へ入って行った。



「あんたらすこし目を離した隙になんかあったでしょ!? 告白的な何か!」



う…… 鋭い。 



「よ、よくわかったな」

「ええ!? やっぱりそうなの? 様子がおかしいからカマかけて言ってみたのにマジで告白されたの??」

「ひっかけるなんてズルいぞ!」

「どうでもいいわそんな事! 言わんこっちゃない、それでどう返事したの?」

「何か言う前に美子が来ちゃって……」

「はぁー…… そうなの。 美子ったら変な誓約立てるから先越されちゃうのよまったく。 でも遥もあんたの事本気で好きなようだし本当は美子の味方だけど遥もせっかく変われたんだしウチはとやかく言うつもりないけど遥に返事だけはちゃんとしなさいよ?」

「どんな事言えば……」

「それをウチに聞く!? しっかりしなさいよ、あんたの気持ちを素直に言えばいいのよ」

「琴音、何かあったの?」

「み、美子!? もう買ったの?」



いつの間にか美子がこっちに来ていた。 聞かれてないよな?



「あれ? 遥ちゃんは?」

「トイレよ、それよりどうかした?」

「あ、そうなんだ。 別に玄ちゃんが難しそうな顔してたからどうしたのかなって」

「ええと…… は、速水に俺のファッションセンス壊滅してるなって言われてさ」

「そ、そう! 由比ヶ浜ったらもうちょっと服装気をつけた方がいいよって言ってたのよ、見なよこのオールユニ○ロみたいな、あはは……」



咄嗟に出てきたのが自虐ネタとは……



「そうかな? 玄ちゃん似合ってるからいいんじゃない」



ニッコリ笑ってそう言うが速水にもオールユニ○ロみたいなと言われたファッションセンスを似合ってると言われると何故か微妙な感じしかしない。



でもどうやら俺と速水の話は聴こえてなかったみたいだ。 あれ〜? でもなんで俺がここまで美子に気遣う必要があるんだ? 速水が困るから?



「あ、遥ちゃんも戻ってきたよ」

「ごめんなさい」

「何がー? それよりなんか佐原君達が食べたら体動かしたいって言うからどこかの運動場行きたいって」



俺にはまったく縁のないチョイスだな…… まぁ決めろなんて言われるよりはいいか。



当たり前だがみんなが食べ終わるまでの時間美子らはお喋りしていたのだがその間いつもより遥の視線を感じた。 俺だけ返事返してないもんな、なんて言うべきか。



「じゃあ行くわよー?」

「あ、うん! 行こう玄ちゃん」

「だってよ遥」

「う、うん」

「ちょっとここじゃ言い難いから少し待っててくれ?」



遥は頷いて俺の後ろについて来た。 うーん。 俺の気持ちか……



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