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その39


「それで? どこに用事があるんだ?」

「へッ!? ああっと…… 」



遥はキョロキョロと忙しなく辺りを見渡した。 



え? なんでこんなに焦ってるんだ? まさかのノープランか?



「あ、あそこ!」



遥が指差したのは本屋。 漫画でも買うのかな? と思ったが俺じゃあるまいし遥の事だから勉強関係の何かかもしれない。



それなら俺付き合う必要あるか? とも思ったけどいいよって言っちゃったし。



「じゃあ行くか」

「うん」



本屋の中へ入り付き合って欲しいと言ったのだから何か俺に選んで欲しいものがと思い遥の後を追うのだが……



「げ、玄君は何か読みたい物読んでていいよ?」

「は? そうなの?」

「うん…… 私なんかに付き合わさせるの悪いしッ」



………… おいおい! じゃあなんで付き合って欲しいと言ったんだ!? 悪いと思っているなら嫌がらせで俺を付き合わせたという事になるんですが?



とまぁ遥がそんな奴ではないって事は今まででわかるけど何か他の事なんだろうか? でも今思うと思い付きっぽかったしなぁー。



まさか…… こ、告白。 いやいや! そう想像するのは流石に俺気持ち悪過ぎだろう、嫌われるぞ!?



しかしどうしよう、ここって古本屋でもないし立ち読み出来ないよなぁ。 仕方ないからゲーム雑誌でも見てるかな。



雑誌を手に取り見ているとゲーム雑誌コーナーの角から視線を感じ遥かな? と思い視線の方へ顔を動かすとサッと消えた……



え? 遥だよな? そう思って読んでいた雑誌を元の場所へ置き視線を感じた方へ向かう途中。



「玄君」

「ええッ!?」

「ひえッ!」



視線を感じた方とは反対の角から遥は現れた。 どうなってんだ?



「ど、どうかしたの?」

「お前さっき反対側に居た?」

「え? 私はこっち側から来たけど」

「おかしいな、誰かに見ら……」



おっと…… 誰かに見られてたような気がしたんだけどなんて言ったらお前自意識過剰じゃね? なんて思ってしまう俺自身が。



「? 誰か居たの?」

「い、いや! 気のせいだったわ。 それより遥は本買ったのか?」

「おかげさまで……」

「何買ったんだ?」

「え!? えっとそれはその……」



この反応…… 俺は聞いてはいけない事を聞いてしまったのか!? 



勉強関係の本なら躊躇わずに見せてくるはずだ、なのに隠そうとしているって事は女子的な、保健体育的な本の購入? 遥が? というか俺はさっきから何を考えているんだ? セクハラオヤジかよ、やめろキモい妄想は!



「ごめん、なんでもない。 用事が済んだなら帰るか」

「まだ……」

「ん?」

「まだ用事済んでないの」



うん、俺がここでは用無しな時点でそれは予想してた。 でもなんとなく聞き辛くなっちゃったからな。



「そっか、じゃあ次行くか」

「ありがとう」



次に遥がどこ行くのかとついて行くとなんとカフェを目の前に遥は止まった。



「ここ?」

「う、うん…… ダメ…… かな?」

「いや、寄りたいなら寄ればいいと思うけど」

「お、お願いします」

  


なんか変な感じだけど遥と一緒にカフェに入るとうちの高校の生徒らしき奴らもチラホラ居た、同級生っていうか知り合い居ないよな? 



遥は少し人と離れた席を選んだ、窓側とは正反対のここならあまり人目を気にせずにという遥らしい選択だ。



「意外だな、遥ってこんなところに来るんだな…… あ、ごめん、別にそういう意味じゃないんだ」



またやってしまった。 そういう意味で言ってしまったのでもう遅い……



「いいの。 私あんまりこんなとこ来ないから…… 誰かと一緒じゃないと。 だから付き合ってくれて嬉しい」

「でもさ、こういうとこなら美子とかの方が詳しそうだし美子と来た方が良かったんじゃないか?」

「ううん、玄君と来たかった。 聞きたい事あったし……」

「聞きたい事?」

「…… 木村さんに髪の毛切ったら? とかお化粧とか教えてもらったりしたんだけど玄君から見たら私…… 変、かな?」

「変?」

「わ、私何聞いてるんだろ!? あ、あははッ」



遥は顔が真っ赤になり喉が渇いたのか水を飲んだ。 それって俺の水なんですけど……



「変じゃなくて綺麗になったなって思ったよ。 遥って元から可愛かったし印象変わったのか友達も出来そうで良かったじゃん」

「可愛いなんて…… この髪型も似合ってるかよくわかんなくて」



前髪も程よい長さになり木村のアドバイスなのかセミロングボブな髪型だ。 でも凄く似合ってて可愛いのは事実。



「俺は似合ってると思うよそれ」

「そ、そっか…… ああありがとう」



つーか来たんならなんか頼もうよ……




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