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セイビア  作者: うきみ
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第十四章 事件を知るジャッジ

「師匠・・・何とかならないんですか?何か方法は・・・」ケイは頭を抱えながら

言った。

「ああ。俺に黒の友人がいるんだが・・・確か・・・リョウが訴えられた時にそこに

 いたはずなんだが・・・」師匠が答えた。

「でも、リョウは黒には言わないで欲しいって・・・」なおみの声は少し震えていた。

「いや・・・そうじゃなくて、その、なおみ君のお母さんの代わりに死んだ男・・・

 生まれかわったのかな・・・生まれかわってしまっていればその後の事は分から

 ないが・・・もしもジーザスになっていたとしたら・・・?委員会にかけられる

 くらいの年齢だとしたら、そもそも事故は男の不注意から起きたものだ。黒は

 生まれ変わらせずに記憶を残したままジーザスにする可能性は高い!」

師匠は立ち上がった。

「あ!ジーザスになってれば前世の名前さえ分かれば・・・今、何処にいるか

 分かる!!」

「そうだ!俺の友人になんとか上手くいって男の名前を聞き出せば・・・」

「師匠!!やっぱり持つべきものは師匠ですね!」ケイとなおみも立ち上がった。


「それで・・・その友人の黒って人は今何処に?」なおみが師匠に聞いた。

「トライアルのジャッジ・・・裁判官だ」師匠は答えた。

「で、そこは?」

「ここの最上階だ!」


「近っ!!」



三人は急いでエレベータに乗った。


『チーーーーン!!』

 


早いスピードで最上階の20階に着いた。

そこは広いホールのような場所だった。一番奥には20段ほどの階段があり階段を

あがった所には10脚の

椅子が並べられていた。

「ここは・・・?」なおみが辺りを見渡した。

「人間界で言う裁判所だ。リョウも俺もここで記憶を消されたんだ。」ケイが言った。

階段の下に10個のドアがあり、師匠はそのうちの一つのドアの前に立った。

ドアにはセイジ・フォード・ブラックと書いてあった。師匠はそのドアを開けた。


「セイジ!」師匠は中にいた黒いスーツの男を呼んだ。

「おー!カイトじゃないか!どうしたんだ?いきなり。」

「あ、ああ。実は今、行方不明になった俺の教え子をさがしているんだが・・・」

「ああ!あの前代未聞の事件の・・・確か・・・リョウ・・・カイト・・・

 セイビア・・・だったかな?」

「ああ。そうだ。その時の事件が行方不明になった原因じゃないかと思って・・・

 周辺を調べてるんだが・・・セイジはあの時のジャッジだったよな?その時に死んだ

 人間を覚えてるか?」

「ああもちろん覚えてるよ!確か年齢が52歳だったから委員会にかけられる所

 だったんだが・・・」

「どうなったんだ?」

「本人が自分の不注意が招いたことだからと、そして生まれ変わって記憶がなくなる

 よりもジーザスとなり妻や子供を見守っていきたいと言ってな・・・ジーザスに

 なったんだ。」

「そうか!!男の名前は?」

「確か・・・松田龍之介・・・だったかな。悲惨な事件だったから、よく覚えてるよ。」

「ありがとう!恩にきる!!」そう言って三人は部屋から出て行った。

「あ!おい!なんだ?慌ただしいやつだな・・・」セイジは三人の背中を見ながら言った。



三人は急いで15階の保管庫へ行き、人間界と書いてある所へ急いだ。

「松田・・・松田・・・松田龍之介・・・あったぞ!!」師匠が続けた。

「松田龍之介・・・交通事故にて死亡・・・享年52才 後にジーザスとなる。

 現在・・・ビッグセイビア・・・所属・・・シュライン」

「シュラインって・・・さっきのお風呂??」なおみが言った。

「ああ!」ケイが答えた。

その時だった。



『ピーピーピー!!!』


ケイのモントルがリョウの危険を知らせるアラームが鳴った。

「ああ・・・リョウ・・・!」なおみは涙ぐみながら手で口を覆った。

「師匠!俺、あいつを助けに行きます!」

「わたしも行く!わたしも・・・もし・・・このままリョウに会えなくなったら・・・」

ケイに続けてなおみが言った。

「分かった。俺はシュラインへ行き、松田龍之介に会ってくる。」師匠が言った。

「お願いします!」ケイとなおみは師匠に頭を下げて急いでリョウのもとへ向かった。




リョウは時空の間を一人で歩き続けていた。

後ろからリョウを呼ぶ声がした。

「おい!リョウ!」

リョウが振り返ると、黒いスーツの長髪の男、ユウジがいた。

ユウジはリョウに向かって走って来た。そしてリョウを蹴り飛ばし、リョウは勢いよく

吹っ飛んだ。

そしてユウジはゆっくりと立ち上がるリョウの胸ぐらを掴み何度も殴り痛めつけた。

そしてリョウの腹にすさまじい一撃を食らわしリョウは倒れこんだ。

「何故だ・・・???どうして戦おうとしない・・・??」ユウジが言った。

リョウは再びゆっくりと起き上がり、膝をつきユウジに土下座した。

「悪・・かった・・わいの・・・身・・勝手な行動で・・・ユウ・ジ・・・おまえを苦しめ

 ・・・人間を・・・死に・・・おいやった。本当に・・・悪・かった・・・謝っても

 許されないことを・・・した・・・」リョウは地面に頭をつけた。

ユウジは一瞬表情を変えたがそれはまた怒りの表情になった。

「そうだ!お前のしたことは・・・ようやく気付いたのか!!だがもう、今更謝っても・・・

 誰も救われない!・・・・・・死ねーーーーーーー!!」ユウジはリョウに向かって

突進した。

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