03 追憶
えぇ、以上がプリント一枚目の内容。
こんなん誰かに見せたとして、何の問題があるんだよ。
っていうか、これ持って行って、どうしろと。
ようするに、適性検査でやったVRゲームの設定書だよなコレ。
あとの三枚なんて、VRゲームの攻略情報だ。
[初期状況]という敵の特徴、配置場所、武装状態等が書いてある紙が一枚。
[行動基点時刻一覧]という、敵の行動や増援到着のタイム表が一枚。
[成功条件]という、ゲームクリアの条件が書かれた紙が一枚。
やはり、明日は作業じゃなくて、またあのゲームをやるって事なのかな。
というか、そうとしか考えられん。
身体がキツイってのは、依頼主が山奥とかに住んでて、そこまで歩いて行くとかで。
金持ち相手にオレのキレキレのゲームプレイを見せるとか、コツ教えるとか、そんな感じか。
その間、女の子達は何をしてるんだろ。
ま、結構面白いゲームだったから、それでバイト代が貰えるならラッキーだけど。
しかし、なんか釈然としないな。
昨日、何か大事な事を聞き逃してたのかなぁ。
ちょっと、昨日の面接の事を思い出してみるか。
えぇと、確かあのビルに入ろうとした時に、上の階から……。




