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38  ホワイトボード

ホワイトボードの画面が切り替わって、ゲームに出てきた敵の姿が映された。


「改変者達の個人情報については、今回も詳しく教える事は出来ません。理由は、詳しく知ってしまった事で、情が移って手加減などをしてしまい、失敗してしまう可能性があるからです。」


「まぁ、今回の敵については、非常に性質の悪いマフィアグループの所属者ばかりなのですが。覚えておいて欲しいのは、意識を乗っ取られた改変者を確保して解除してあげるのは、彼ら自身の為にもなるという事。怪我をさせてしまっても、気にする必要はありません。私達の技術なら、完全に治療する事が可能です。」


「しかし、今回の三人のようにアンドロイド化してしまったサイボーグは、実質的にもう死んでしまっているのと変りません。脳を含む体の殆どを機械的な部品に変えられて、破棄されています。そして、その機械に接続されたAIに意思を乗っ取られ、操られている状態です。私達が存在を補足した段階で既に手遅れでした。」


アンドロイド化、ようするに身体が全部機械と入れ替わってるって事だ。

それにしちゃ、ゲームじゃサイボーグから血痕見たいのが飛び散ってたな。

フフフ、ついに設定に穴を見つけたぞ。

タマラさんの操作によって、ホワイトボード上で三人のサイボーグがズームされる。


「アンドロイド化してしまっていても、簡単な検査では人間で無いとは見抜けません。当然ながら、怪我をすれば血も出ますし、体温などもあります。」


あ、左様ですか。

タイムマッシーンがあるんだから、取り憑かれる前に戻って助けちゃえばいいのに。

いや、コストがかかり過ぎるから無理って設定だったか。


「仮にタイムリープを使って、改変者のベースを乗っ取り前に助けたとする。そうすると、不都合な時間軸に移動してしまうの。歴史っていうのは時間軸というレールに乗った電車のような物で、それが変ってしまうと行き着く先もかわってしまうの。」


「そのタイミングで助けるのは、早い段階で暗殺計画を止めるのと同じ事になるでしょ。チャンスである転換点まで時間があるのに計画の阻止をされた場合、改変者グループはこちらの存在に気が付く。そうすると改変者グループは、転換点までにもっと慎重な計画を練ってくるかもしれない。そうなると今度は、第三次世界大戦を阻止するのが難しくなってしまう。非情だと思われるかもしれないけど、悪魔憑きの被害者を助けるのは、優先事項ではないの。今回のように、被害者があまり好ましくない人物の場合はなおさら。私達の役目は、大きな歴史改変を阻止する事だから、歴史転換点の防衛が最重要課題。それが困難になるような選択肢は選べないの。」


マフィアの身体を乗っ取ってくれたから、容赦なく殺せて正直都合がいいって設定か。

どうせ肉体改造でアンドロイド化するんなら、子供の身体を乗っ取ったりする可能性もある。

相手が子供だった場合、殺すのは流石に気が引ける。

それは乗っ取る側も同じか。

わざわざ悪人の身体を乗っ取るなんて、そんなに悪い奴らじゃないんじゃないか。


「とにかく、改変者達を同情したりしないように。あなた達候補生全員の命が懸かっているんだから。」


オレの命はともかく、美少女二人の命が懸かってるなら、同情なんてしない。

死ね!死ね!死ぬがいい!

フハハハハハ!

……と、まぁ、そんな感じでOKだな。


「今日は電車で現場まで行ってもらう事になります。佐藤君は初めて行く場所になるけど、二人に案内してもらって。現場での行動については、事前演習のゲームを全員にやってもらったので、これ以上説明しません。今日のグループリーダーは佐藤君。これは山形さんの指示。誰がリーダーだとかこだわらずに、三人で相談してうまくやってね。これでとりあえず、ブリーフィング終了。佐藤君には、上の階で転送装置を見てもらいます。二人は制服に着替えてから上に来て。」


転送装置か、どんなトリックを見せてくれるんだろ。

電車で現場ってどの辺りだろ、遠いのかな。

あと、女子だけは制服があるのか。

それは、性差別ってやつだにはならんのかな。

うーん、なんにしろ、気になる事が多すぎるぜ。

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