31 ブリーフィング
イテっ。
何かで背中を突かれた様だ。
振り返ると、園池さんがオレをプラスチックのフォークで突いていた。
そういう時は、指で十分ですよ、園池さん。
「もしかして、人殺した事ある?」
小声で変な事を聞いてきた。
おいおい、何その質問。
オレに似た指名手配犯でもいたのかな。
人殺しの経験なんて、ある訳がない。
さっきの命の選択がどうとかいう話の延長か。
オレは首を振った。
「だよね。OK。」
「それじゃ、気を取り直して、ブリーフィングを始めましょう。このブリーフィングと任務は、《時空管》の監視下において行われます。もちろん、契約上の範囲内における個人情報は保護されます。みんな、許可してくれる?」
ん、なんか始まるのか。
監視下って、動画でも撮るのかな。
「嫌だけどいいよ。どうせ、許可しなきゃ話進まないんでしょ。」
「許可します。それは仕方がないとは思います。でも、やっぱり佐藤君は可哀想。」
タマラさんが、少し困ったような顔でオレのほうを見た。
「佐藤君には、プリント1に書いてある事は全て事実だと、信じてもらうしかない。遅くても、現場に着くまでにはね。」
なんだって?
よくわからんけど、動画だろうが録音だろうが好きにしてくれればいい。
「オレも許可します。」
タマラさんは、少しほっとした顔をした。
「瑠乃華ちゃんと亜衣ちゃんは分かってくれてると思うけど、《時空管》側の立場を話します。山形さんと私は、時空管理局員で管理官候補生の指導教官。貴方達が生き残る為の手伝いをする代わりに、あなた達には候補生となって貰う事にしました。」
これ、多分またゲームの話だな。
もうやめてください!泣いてる子もいるんですよ!




