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20  活性化

残りの二人も、予測とほぼ変らない位置に居た。

やたら『派手な格好をした男』と、対照的に地味な黒いスーツを着た『スキンヘッド』だ。


派手な格好の方は、上半身は裸で金色のベストのみ、白いズボン、羽飾りの付いた白い帽子。

怪しいを通り越した格好だ。

レスラーじゃないなら、せめて乳首は隠せよ。

二人は談笑しているようだが、スキンヘッドが時々、周辺にするどい視線を送っている。

こちらを不意打ちで襲撃するのは無理そうだ。

急がないと、ドアの見張りの異常に気が付くかも知れない。


女の方を先に狙う事にした。

ナノマシンの活性化をして戦闘力を上げ、可能なら不意討ちで即座に始末するつもりだ。

ゆっくりと女の方へと近づき、ファンの近くでしゃがむ。

ファンの近くなら、活性化キーワードの発声が聞こえないかも知れない。


「マンボウの寄生虫を食べたい。」


場違いな台詞だが、そんな事はどうでもいい。

ナノマシンを活性化する為の、キーワードでしかないのだから。

運良く、女に気が付かれた様子はない。

手を見ると、周辺にたくさんの光の粒が瞬いている。

ピピピ、ピピピ、という電子音も聞こえだした。

おそらく、これがナノマシンが活性化した証拠なのだろう。

アシスト情報を、隅から隅まで確認する。

活性化の残り時間は……これだな、二分四十秒。


さて、さっそく特殊攻撃をやってみるか。

特殊攻撃用のSボタンを押す。

操作キャラが光の粒を集め始め、おむすびでも作るかのように塊にした。

一秒もしないうちに塊は色が変った。

多分、発射するタイミングになったのだろう。


女の背後に飛び出す、その距離わずか3メートル。

活性化で能力が上がったからだろうか、ちょっと勢いが良すぎたが問題ない。

女の方に向いて、もう一度特殊攻撃ボタンを押した。

ボールを投げるような動作で、光の塊が飛んで行く。


うげ。

ちょっと、気持ち悪い事になった。

背中に当たった光の弾が女の体の中に浸透し、破裂したのだ。

サイボーグという話だが、血痕のような物も飛び散った。

グロさは、なんとかギリギリで全年齢対象といった所か。

ってかこれ、転送するの無理じゃね。

いくら警察みたいな所だって、イキナリ肉の塊みたいなんが沢山送られてきたら最悪だろ。

まぁでも、そんな事考えてる暇はないな。

戦闘能力が上がるナノマシンの活性化には、タイムリミットがあるんだった。

活性化が終わる前に、残りの二人を倒さないと。


オレは、また特殊攻撃ボタンを押して、光の塊を作った。

そのまま、後の二人が居る方向へ向かう。

我ながら、驚くべきスピードだ。


スキンヘッドが、オレの接近に気付く。

あちらも、物凄いスピードで向かって来た。

一瞬右へ飛びずさり、光の塊を投げる。

光の塊は、スキンヘッドの右肩に当たった。

破裂と同時に、スキンヘッドが右側に吹っ飛ぶ。

倒しきっていないかもしれないが、そのまま最後の一人の方へ向かう。

あれに当たって、無事という事はないだろう。

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