15 地図
「エレベーターを降りて左側、突き当たり付近にある階段から屋上に行ける。」
「階段までは、大きな音さえ立てなきゃ、見つかる心配はねぇ。堂々と行けばいい。階段を上った先、屋上へのドアの前に見張りが二人。そいつらは普通の人間で、屋上に入れる合鍵を持ってる。倒して奪い、その後二人とも転送しろ。武装はハンドガンですぐ撃てる状態にあるが、まぁ、そのままで十分に対応可能だ。」
そのままで、ってのは、『ナノマシン活性化の必要はない』って意味だろう。
銃を構えた二人相手に素手なんて、現実だったら自殺行為だろうけど、やってみるか。
「屋上に着いてからは、かなり騒がしくしても構わねぇ。だが、最初の一人は不意打ちで倒した方が楽だろう。強化人間が三人だからな。入り口の見張りが倒されてしばらくすれば、異常があったことはバレる。」
「この階に居るうちから、アシスト情報に屋上の地図を出しておく。情報をうまく利用し、出来るかぎり楽をして、迅速に始末しろ。」
屋上では、強化人間を三人も相手にする以上、活性化が必須になるだろう。
活性化中の操作はまだやってないから、ちょっとイメージできないが……。
再使用は制限されるって話だったから、試してみる訳にもいかないし。
実行犯を不意打ちで倒して、残りの二人からは逃げる、ってのはどうだろう。
「ボディガードが二人、実行犯が一人だ。実行犯は特殊なライフルを持っているが、ボディガード達は武器を持ってねぇ。体自体が凶器みたいなもんだけどな。敵も特殊な遠距離攻撃を行ってくる。とにかく、ボディガードと実行犯の三人、全てを始末するなりして転送すりゃ、それで任務終了だ。」
犯人のボディーガードが二人なんて、実行犯は随分と慎重な奴だな。
いや、人数が多いと見つかる可能性も増える筈だ。
慎重というより、臆病なのかもしれない。
それにしても、ボディガードと実行犯の三人全て、か。
普通、重要なのは実行役の確保で、ボディガードとかは、たとえ強くても重要じゃないよな。
あ、でも戦闘用の強化人間なんてのが、現代の日本で生き残ってたら、マズイんだろうな。
三人全員、倒すしかないか。
「任務終了後は、歩いてスタート地点まで戻れ。見られても構わん。タイムリミットは午前十時二十五分。時間はたっぷりある。おしゃべりは終わりだ。隠密行動に移行しろ。以上。」




