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畢竟夢想の天成剣属(ブレード・ランナー!!!!!!!!!!!)  作者: きうきう
序章 終わる世界とブレード・ランナー
8/13

第八話ッッ!!!叩き斬れ!この世の理!!!

「貴様……、そう言う事か。」

アルテルメアは無量院に突きつけた剣を納め、僅かの間だけ目を瞑る。それはこれから先起こり得る全ての可能性を考慮するには余りにも短すぎる瞑想であったが、それでも彼女が覚悟を決めるだけの十分な時間はあった。


「……力を借りるぞ、恵美。」


アルテルメアは彼女の剣を振りかざす。

剣の力を借りるなど武闘家の名折れであるが、それでも彼女と共に淘汰郎を守れるのなら。迷いはない。




「─────『人類最後の悲劇』ッ!!トータルチェンジリングッッ!!!!!!」



「なっ…!!?」

一瞬の閃光に目を眩ませる妹。視界が戻る頃には既にアルテルメアの姿はなく、そこにいたのはなんと我らが主人公、シゼントウタロウその人だ。


「お、おかしいっ!!こんなの絶対にありえない!!だって、『人類最後の悲劇(トータルチェンジリング)』で変身できる人物は"既に死んでいる人物"のみに限られるって…!!!」


「すでに死んでいる人物だと?…ならば死んだ人間とそうでない人間の区別は誰が付ける?」


「答えは簡単。」

と、トウタロウが手のひらを妹に向けて言う。



「決めるのはこの某に決まっておろうが!!愚か者ッッ!!!」


「む、無茶苦茶すぎっ…。」

トウタロウの言う人類最後の悲劇(トータルチェンジリング)の発動条件いい加減さに困惑の色を隠せない妹。しかし彼女はちょっとしたカンからトウタロウの策を一発で見抜く。


「…でもバカでしょ。」

妹はにやりとほくそ笑むと、持っていた鎌を床に突き刺してトウタロウのバカさ加減を知らしめるべくいつになく早口の説明口調でしゃべり始めた。

「あと数秒すれば私の絶対絶望未来(スティールメイト・デッド)が予知したとおりお兄ちゃんの首が飛ぶ。けど貴方は自分がお兄ちゃんの代わりになることで結果を変えようと考えた!そうでしょ!?でもね!そんな事をすれば死ぬのは貴方じゃん!!バーカ!!!バーカ!!!バーーカ!!!!」


しかしトウタロウ、意外にもこれをスルー。なぜなら彼女は───


「結果を変えるだと?…余計面倒だ。そんな事をせずとも貴様を倒せば済む話だろう。」


───バカ以上のバカだったのだ。


「…はぁ?倒s…」

「遅いッ!!!傾聴せよ───『霊勁』シメオンッッ!!!!」

トウタロウが動く。妹が鎌を構え直すよりも先に。鋭く槍のように伸ばした腕が妹の鳩尾を貫く。


「……っっっ!!!」

直撃を食らい、そのまま後方の壁に倒れこむ妹。…しかし6位の妹がこの程度でやられるはずがない。トウタロウは次の一撃に備えて再び霊勁(シメオン)を発動させようとするが…。

「…何だと?」

自分の掌を見たトウタロウはそこに霊勁(アレ)の遊星歯車が発現していない事に気づく。本来霊勁(シメオン)は掌に発現した遊星歯車を対象に当てる事によって魂を抜いたり入れたり入れなかったりとにかくいろんなことをする能力なのだが、今のトウタロウにはそれが発現していない。


「……当たり前、でしょ。バーカ。」

トウタロウが動揺している隙に妹はふらふらと立ち上がり、拾い損ねた鎌を担ぐ。

「何故だ…!?何故某の霊勁(いつもの)が発現しない…!!?」


「そんなの…答えは簡単。」

トウタロウの問いに妹は彼女の言葉をそっくりそのままお返しする。そして…


「お兄ちゃんの手は───世界で一番優しい手なんだから…!!!」


妹が鎌を振り上げる。トウタロウの反射の合間を縫い、迷いなく敷かれた運命のラインに従うように、それは朝日が登るように。さも当然であるように振り下ろされる。



絶対絶望未来(スティールメイト・デッド)の予知は"絶対"に外れない。



俺の首が刎ねられる。とやかく言いたくは無いが俺は確かにそこで死んだ。…そう、俺は間違いなく死んだ。


───俺は、俺の目の前で死んだんだ。


「…なっ!!!?!?!?」

俺の死体を目撃した俺は続けざまにとんでもない事実に気づいてしまう。なんとこの俺、どういった経緯でこんな事になっているのかまるで検討もつかないがとにかく全裸なのだ!!

「お兄ちゃん!おかえり!死ね!!!!」

「はぁあ!!?いきなりかよ!?」

片手で股間を隠しつつも目の前の妹と目が合ってしまいさらに死刑宣告まで受けてしまった俺。というか既にもう一人の俺が死んでるんだけど。何コレ?…死体かと思ったらいきなり剣になったよこれ大丈夫!?折れてるよ!?


「はっ…!!」

妹の持つ鎌を見た俺は、すぐさま鎌の異常性に気付く。あれは鎌であって鎌ではない…鎌のような形をした天成剣だ。能力は絶対絶望未来(スティールメイト・デッド)。──対象の意識を数分先へと飛ばすことが出来る。そして意識が飛んだ先の結末は必ず収束する回避不能の未来予知。何故俺がこんな事を知っているのかは分からないが、きっと前世の記憶とかそんなんだろう。


「まずは世界で一番優しいその腕を頂いて、一緒にアンシェヌマンのチキンカツサンドを買いに地獄まで付き合ってもらうよ!お兄ちゃん!!!」


「はぁあああ!!!?!!?…あ!!!!?」


ぽたぽたと垂れる音。俺の血だ。俺の手首がぼとりと床に落ちてる。股間を隠してるほうの手じゃなくて一安心…じゃねえ!!!!!!!


「あ…あああああ…っっ!!!!!」

言葉にならない悲鳴。斬られた時には一瞬すぎて痛みすら感じなかったのに、今は超ヤバイ。


「助けて……くれっ…!!無量院!!アルテルメアも…!!どこだよっ…!!!」


「面倒だから自分でどうにかして」

「あっ無量院様、またUNO言い忘れましたね。二枚引いてくださいよ。」

こいつらUNOしてやがる…二人でやって楽しいかそれ…!!?クソッ…こんな時にアルテルメアが居てくれさえすれば…。俺はありもしないアルテルメアとの思い出の日々を走馬灯のように次々と浮かべていく。


「終わりだよお兄ちゃん。」

妹が再び鎌を振り上げる。

ああ、終わった。



「そうだな、マスター。」


最期に聞こえたアルテルメアの声は幻聴なのだろうか。

ようやく復活したと思ったら全裸な上に手首を切り落とされて大ピンチな淘汰郎!!

次回ッ!!第九話ッッ!!! …登場!メインヒロイン!!?

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