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心霊夜話 夜釣り

作者: 釜沼商店
掲載日:2012/07/17

暑い夏を涼んで頂く、納涼企画第三弾です。

今回は、夜の堤防での体験談です。

よろしければ、最後までお付き合い下さいませ。

釣り好きの方の中には、夜釣りに行かれる方も多いと思う。

今回は、夜釣りでの恐怖体験を紹介しよう。



海沿いの町、P町にあるK堤防は、釣人に人気で、好釣果の期待できる、有名ポイントである。

しかし、堤防は危険な一面もあり、数年に一度、海への転落事故もおきていたという。事故がおきると、色々な噂がたってくる。

大抵は、事故原因や事故当事者の話だったが、背筋が冷たくなる様な噂も流れ始めていた。

そのK堤防に、二人の釣り人が夜釣りに訪れた。ここで、二人は、恐ろしい体験をする事となった。

その日、二人は、釣りポイントにつくと、仕掛けを準備し、真っ暗な海に向かってキャストした。





電気ウキが弧を描いて飛び、着水すると、海面上にウキがゆらゆら揺れ始める。

赤く光る電気ウキを見つめる二人。

遠くには、漁船の漁火が見える。

時折、吹く夜風が心地良い。

気分的には、とても良いのだが、肝心の魚のアタリが全くない。


「釣れないな。」

「ああ。」

「ウキがピクリとも、しないぞ。」

「こんな日もあるんだな。」


これは、長期戦になりそうだと、二人は思った。

やがて、余りのアタリのなさに、退屈したのか、こんな話を始めた。


「なあ、こんな話、知っているか。

この堤防で一ヶ月ぐらい前に自殺があったじゃん。」「ああ、女の人が海に飛び込んだってやつか。

海中のテトラポッドに直撃したらしいな。」

「そうそう。

それでさ、遺体がなかなか見つからなかったんだってさ。

遺体が見つかるまでの間、この辺り、カニや魚がやたら良く採れたんだってよ。

なぜだか、わかるか?」

「まあ、わかるけど。

もう、それ以上、言うな。

釣りをする気がなくなる。」

「悪い、悪い。

いまの話は、無しな。

あれ、お前のウキ、引っ張られているみたいだぞ。」

「おっ、きたか。」


待ちに待ったアタリに喜び、ロッドを立て、リールを巻く。

しかし、ウキは沈んだまま、上がってこない。


「あれ、根掛かりかなあ。」


どうも、海藻か何かに針が引っ掛かった様だった。

針を外そうと、ロッドを右に左にあおってみる。

やっと外れ、リールを巻き始める。

その時、後ろの方から、何か音がした。


ぺちゃり、 ぺちゃり


誰かが、近づいて来る。

この時、二人は、他の釣り人が、やって来た程度に思っていた。


ぺちゃり、 ぺちゃり


音が、二人のすぐ後ろで止まった。



「ねえ、わたしの・・・・」



何か、声がした。

リールをまく手が止まった。


「今、何か言った?」

「いや、俺は何も。」

「そうか。」


どうも、後ろにいる人が言ったのだろうと、二人は思った。

無視し、再びリールを巻く。

リールを巻き終わると仕掛けが上がってきた。

どうも、針に何か掛かっている様だ。

掛かっている物を確かめ様とした時、また声がした。



「ねえ、わたしの・・・・あった?」



低い女の声だ。

二人は、ビクッとした。

こいつ、釣人なんかじゃない。

急にK堤防の嫌な噂を思い出した。

夜のK堤防に、何か出るという噂を。

それは、女の声で話しかけてくるという。

女の声、そして問いかけ。

話で聞いていた特徴と一致する。

自分達の後ろに何か得体の知れない者がいる!

恐怖のあまり、二人は体が動かなくなってしまった。

後ろから、腐った肉の様な臭いがしてくる。

二人は後ろを振り向く事も出来ず、前を見続けるしかなかった。

その視線の先には、手に持ったロッドから下がった仕掛けがあった。



「ねえ、 わたしの からだ あった?」



その仕掛けには、黒髪と皮膚とおぼしき物がぶら下がっていた・・・・



今夜、夜釣りに行かれる方もいらっしゃると思う。

夜の堤防には、くれぐれも気をつけていただきたい。

もちろん、色々な意味で・・・・

最後までお付き合い下さいましてありがとうございます。

涼んで頂けたでしょうか。

今回は、堤防での話だったのですが、釣り場では磯での目撃談が良くあるそうです。

私は磯での夜釣りは、やらないのですが、夜の磯場は、何か出そうな雰囲気がします。

やっぱり、不気味ですね。

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[一言] 怖かったです…。
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